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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十二章―明かされる因縁―#3
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より濾過されたものと思われる。


「なるほど…、これは───確かに、ディルカリド伯爵家が関係している可能性が高い」

 ディンド卿が、唸るような低い声で呟く。

 現時点では、【魔力炉(マナ・リアクター)】は私たちか、ディルカリド伯爵家の血筋のものしか持ちえない。

 それに───ディルカリド伯爵家には、そういったことを仕出かす動機になりそうな事情もある。

 初めから、この分析結果を見せるべきだったな。だけど、この【純魔石】の件は、セレナさんの【魔力炉(マナ・リアクター)】のことがあったから、ディルカリド伯爵家に結び付いたので、どう説明したらいいか考えている時間がなかったのだ。

「ルガレド様────リゼラ様の危惧される通り、これは早急に調べるべきです」
「ああ、そうだな」

 ディンド卿の言葉に、レド様は何だか嬉しそうに応える。

「ラムル」
「心得ております」

 レド様に名を呼ばれ、ラムルは再度一礼した。

「ヴァルト、ハルド────セレナは、何か知っていることがあると思うか?」
「ワシは、お嬢の───セレナ様の護衛をしておりました。ワシが知る限りでは、先程ワシがお話しした以上に知っているとは思えません」
「そうか…。セレナに、この件を話しても大丈夫だと思うか?」
「お嬢なら───大丈夫でしょう」

 ヴァルトさんは、レド様から視線を外して───表情を和らげて、そう答えた。

「解った。誰が話すのが、一番いい?」

 レド様が、セレナさんを思いやってくれているのが、判ったからだろう。ヴァルトさんは、嬉しそうにちょっとだけ目元を緩める。

「ワシが、お嬢に話します」
「そうか。それでは、頼んだ」
「お任せください」

 ヴァルトさんは、ラムルのように優雅ではなかったが、丁寧な仕種で一礼した。


◇◇◇


 とりあえず、話が済み────ラムルとカデアが、ディンド卿、ヴァルトさん、ハルドを伴って、ダイニングルームを出て行った。

 残っているのは、レド様、私───ジグとレナスに、ノルンだ。

「ご苦労だったな、リゼ」
「いえ」

 レド様が労いの言葉をかけてくれたので、私は表情を緩めた。

「少しだけ休んだら、ギルドへ行くか」
「はい」

 お邸の改修も終わり、待機していた仲間たちも迎えられたので───今日からは、レド様には冒険者の技能を身に着けることに専念してもらうつもりだ。

 それだけではなく、Bランクチーム『氷姫』とBランカーであるディドルさんが、レド様の配下となってしまったので、その分まで、魔物の間引きや魔獣討伐を引き受けなければならないという事情もある。


「ところで────ジグ。ハルドは、大丈夫だったのか?」

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