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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十二章―明かされる因縁―#2
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ルトのことを不忠者ってバカにしてたくせに、何もかも捨てていち早く逃げて行った。オレは置いて行かれて…、途方に暮れていたら───ヴァルトとセレナ様が、一緒に行こうって────言ってくれたんだ」

「それで、3人で冒険者に?」

 ハルド君は頷く。


「オレ…、ここにいてもいいのかな…?」

 ハルド君がぽつりと呟くように言う。

「どうして、そう思うの?」
「だって…、お館様が───何か悪いことをしようとしてるかもしれないんだろ…?それなら───きっと、オレのじいさんも手伝ってるはずだ」
「ハルド君のお祖父さんが?」

 ということは────ヴァルトさんのお兄さん?

「あのとき───お館様の側近は父さんだったけど…、父さんはついて行くのを嫌がったから───怒ったじいさんがついて行ったんだ。じいさんも、それきり戻って来なくて───お館様が生きているとしたら…、じいさんも一緒だと思う」

「そうなんだ…。でも────そうだとしても…、どうして、ハルド君がここにいてはいけないの?」
「だって、オレのじいさんが手伝ってるとしたら────」

 そうか、それで────そのことを気にして…、ハルド君はダイニングルームから逃げ出したのか────

「そんなことを言ったら────セレナさんとヴァルトさんも、ここから出て行かなければならなくなるよ?」

「ヴァルトとセレナ様は違う!お館様やじいさんが、勝手にやっているだけで、あの二人には関係ない…!」

 必死に二人を庇うハルド君が微笑ましくて、私は口元を緩める。
 何だか可愛いな───この子。

「それなら───ハルド君だって、関係ないよね?」
「あ…」


 私は表情を引き締めて、改めてハルド君に目線を据える。

「ハルド君───貴方は…、あのとき、初めて会ったにも関わらず───レド様に忠誠を誓ってくれた」

 【契約魔術(コントラクト)】が発動したという事実もある。

 だけど───それだけでなく…、私はこの子が、私たちを───レド様を裏切るとは思えない。

「私は、貴方を───あのとき誓ってくれた貴方の忠誠を信じてる。だから…、ここにいて────レド様を援けて欲しい」

 ハルド君は一瞬だけ、驚いたように眼を見開いて───あのときと同じ…、決意を湛えた表情となった。

 そして、片膝をついて────私の手を取る。私の手の甲に、自分の額を当てると────誓いの言葉を口にする。

「貴女がオレを信じてくれるなら───望んでくれるなら…、オレは───ルガレド殿下に忠義を以て仕えると誓う」

 誓いの文言は違うけれど────昨日、ハルド君たちがお邸に着いて、すでに済ませた儀式だ。

 それでも、ハルド君の決意が感じられ
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