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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十二章―明かされる因縁―#2
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ドが…、セレナ様に嫌がらせに近いことをしていても、当然だと思ってたんだ…」
「………」
「貴女は───あのとき…、ヴァルトの話を聴いて───顔を顰めていた。貴女は…、そういう奴が───オレみたいな奴は、嫌いだろ…?」
ハルド君は、そう問いかけながらも───肯定されるのを明らかに恐れていた。
ああ…、そうか。この子は────後悔しているんだ。自分が…、周囲に流されて、ヴァルトさんやセレナさんに対して────酷い態度で接してきたことを。
そして────そんな過去の自分を恥じている。
私は、ハルド君に歩み寄る。私が目の前に立っても───ハルド君は、俯いたまま、顔を上げない。
「埒が明かない────」
私がそう言葉にすると、ハルド君は反射的に顔を上げた。
「え?」
「ハルド君は…、『このまま冒険者をしていても、埒が明かない』って言ったよね────あのとき」
だから、レド様に仕えることは賛成だ────と。
「私には、ハルド君が───皇妃たちに復讐したいとか、ディルカリド伯爵家を再興したいとか思っているようには見えない。あれは…、どういう意味で言ったの?どうして───冒険者をしていては、埒が明かないの?」
「それは───ヴァルトはともかく、セレナ様は荒事には向かないし…、それに───あの二人…、せっかく、しがらみがなくなったのに、いつまで経ってもあのままだし────いい機会だと思ったんだ…」
ハルド君の答えを聴いて────私は思わず、笑みを零した。
ああ、やっぱり────ハルド君は、セレナさんとヴァルトさんのために、レド様に仕えることを決断したんだ。
「…っ」
私が笑うとは思ってもみなかったのだろう────ハルド君は、目を瞠って息を呑み込む。
私は話を続けるために、口を開いた。
「ハルド君───私は確かに…、ハルド君の言う通り、誰かに悪いレッテルを貼って───それを理由に相手を虐げるような輩は嫌ってる」
私の言葉に、ハルド君は───びくりと肩を震わせた。
「だけど────ハルド君は…、そういった輩とは違うでしょう?貴方は、周りにそういう人しかいなかったせいで、ただ───他の見方や考え方を知らなかっただけなんだから」
「そんなこと────どうして判るんだよ」
「だって…、今のハルド君は、ヴァルトさんのことも、セレナさんのことも───出来損ないとか、落ち零れとか思っていないでしょう?そうでなかったら、ヴァルトさんと手合わせなんかしないだろうし、セレナさんを護ろうとしないはずだよ」
ハルド君は、また顔を俯けて────小さな声で語り出した。
「ディルカリド伯爵家が取り潰されたとき───父さんも、兄さんも、いつもヴァ
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