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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十一章―ファルリエムの忘れ形見―#7
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女は本当に────引き寄せる」
ラムルは驚くどころか────当然のように言う。
まあ、でも───確かに…、今回のことは、祝福の効果としか思えなかった。私があの時間にギルドに行かなければ、ディンド卿は───命を落とすことになっていたかもしれない。
実を言うと、朝のうちに行くか昼下がりに行くか迷ったのだ。昼下がりにしたのには、別に深い理由があるわけではなかった。
昼下がりに行くことにして、本当に良かったと思う。エルが悲しむような事態にならなくて────本当に…、良かった。
「ラムルの言う通りだ。リゼのおかげで、ディンドに会うことができた」
レド様が、嬉しそうに繋ぐ。
「ディンド様が───あの方が、配下に加わってくださったのなら心強い」
「ああ、本当に」
ラムルの言葉に、レド様が頷き────私も追従する。
「ええ、そうですね。あの方は、私のどちらの噂もご存知にも関わらず、先入観を持ってはいないようでした。加えて───頭の回転も速いようです」
ディンド卿は、私が事情を話しきる前に、私の言葉を組み立てて真相に辿り着いていた。
ともすれば、きちんと話を聴かずに早急に判断してしまったかのような印象を受けるが────あの後の歓談での話し振りからも、ディンド卿は思慮深い方だと、私には見受けられた。
「リゼラ様は、よく見ていらっしゃる。あの方は───何も考えていないように見えて、とても思慮深い方です。洞察力もあり、情も厚く、人を従える素質をお持ちだ。だからこそ、ファルリエム辺境伯は、あの方を後継に据えたのです」
ラムルは、ディンド卿をかなり買っているようだ。
「そうだな────爺様は、ディンドをとても信頼していた。だから、是非とも仲間となって欲しかったんだ」
ファルリエム辺境伯を思い出しているのか────レド様は、少し遠い目をして呟く。
レド様にとっては、このお邸だけでなく────ディンド卿も、ファルリエム辺境伯の忘れ形見なのだろう。
「もう一つ、報告しておくことがある」
レド様は改めて、私たち───私とノルン、ジグとレナス、ラムルとカデア、アーシャに向けて、口を開いた。
「今日で────ロルスの授業を終えた。明日からは、俺も自由に動ける」
「…もっとかかるかと思っておりました」
ラムルが、驚いたように言う。
「そうだな。領地経営の復習だけでなく───何処に赴任することになってもいいように、地域を限定せずに大陸の情勢を学び直していたからな。俺も、もっと時間がかかるかと思っていたが…、リゼのおかげだ」
「え───私ですか?」
「ああ。リゼがくれたあの地図が大いに役に立った。それに…、リゼに習った魔力循環によ
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