暁 〜小説投稿サイト〜
コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十一章―ファルリエムの忘れ形見―#5
[5/5]
[8]
前話
[9]
前
最初
[2]
次話
解った!」
私はそれだけ告げると───【
身体強化
(
フィジカル・ブースト
)
】を発動して、地を蹴った。
【対の小太刀】をベルトから鞘ごと引き抜くと、ディドルさんの前に身体を滑り込ませて、小太刀の刀身ほどもある魔獣の爪を、両手の小太刀で受け止める。
そして、小太刀で魔獣の爪を絡めとって、ありったけの力を込めて魔獣の腕ごと振り下ろした。鋭利な魔獣の爪は、私の足元の地面にあっさりと深く食い込む。
私は魔獣の爪に絡まったままの鞘から小太刀を抜き出し、抜身の小太刀を両手に携えて、太い樹木のような魔獣の腕に乗り上げ────奔る。
魔獣が地面から爪を引き抜いたが────すでに二の腕まで昇り詰めていた私は、魔獣の腕を蹴り跳び上がると、魔獣の首を狙って両手の小太刀を閃かせた。
先に右手の小太刀を、魔獣の首に食い込ませたけれど、強化された肉に阻まれ刃が進まない。間髪入れず、左手の小太刀を押し込んで右手の小太刀を力任せに進ませて、二振りの小太刀を強引に振り抜いた。
切り離された魔獣の頭が、音もなく飛んでいった。
私は、剣を振り抜いた勢いのまま魔獣の肩を踏むと、ゆっくりと後ろに倒れ込んでいく魔獣が、ある程度地面に近づいたところで飛び降りた。
こっそり【
心眼
(
インサイト・アイズ
)
】を発動させ、魔獣が息絶えていることを確認してから、地面に落ちていた鞘を拾って、小太刀を収める。
「皆さん、大丈夫ですか?」
そう問いかけながら、ディドルさんたちに振り向くと────アーシャ以外の全員が、唖然とした表情で私を見ていた。
誰も返事をしてはくれなかったが────どうやら、皆何処かしらケガをしてはいるものの、生きているようだ。
私はベルトの後ろに括り付けたポーチからマジックバッグを取り出し、さらにその中から傷薬や回復薬、包帯などを取り出す。
「アーシャ、応急手当てをするから、手伝って」
「うん!」
アーシャは、何だか────誇らしげな表情で、頷いた。
[8]
前話
[9]
前
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ