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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十一章―ファルリエムの忘れ形見―#5
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「わ、わたしも、リゼ姉さんと同じで!」

 続いて答えたアーシャに、私は眼を見開いた。肉はともかく───鞣革と魔石が、アーシャに必要と思えなかったからだ。



 ガレスさんが私たちの冒険者ライセンスであるコインを持って出て行き、バドさんが清算のために出て行くと、私はアーシャに訊ねた。

「アーシャ、鞣革と魔石、買い取ってもらわなくて良かったの?」
「うん。リゼ姉さんにあげようと思って」
「私に?」
「腕時計とか剣とか創ってくれたでしょ?それと、懐中時計もくれたから───そのお礼だよ。少ないかもしれないけど、もらって?」
「そんなこと、気にしなくてもいいのに。あれは、私があげたくてあげたんだから」
「でも…、とても───嬉しかったの。だから、お礼がしたいの」
「アーシャ…」

 アーシャの青とも緑ともつかぬ双眸は濁り一つなく澄んでいて────アーシャのその心情をそのまま表しているように思えた。

「解った。有難くいただくね。ありがとう、アーシャ」
「うん!鞣革と魔石だけじゃなくて、お肉もだからね?」
「ふふ、解った。ありがとう」

 私はもう一度心からお礼を言って、私とアーシャの戦利品を【遠隔(リモート・)管理(コントロール)】でアイテムボックスへと送った。


◇◇◇


 オーガ討伐において、アーシャの体格や双剣での効率の良い仕留め方や、どの部位が高く引き取ってもらえる素材となるのかなど、アーシャに解説していると────そこへ、バドさんが戻って来た。

 私とアーシャにそれぞれ、報酬である硬貨が入った袋を渡す。

「リゼのは、買取分だけでなく成功報酬も入っている。詳細は聴いている。本当によくやってくれた。リゼがいなかったら、壊滅もありえた案件だった」

「そんな───まさか。もしかしたら、もっとケガ人は出てしまったかもしれないですけど、あの場にはガレスさんだっていましたし、壊滅まではいかないのでは────」

「いや。まず、オーガの殲滅にもっと手こずっていただろう。殲滅を終えないうちにオーガロードが魔獣化して戻って来てみろ。確実に悲惨な事態になっていたに違いない。いかにガレスと言えど、手勢がCランカー以下では、その状態を覆すのは至難の業だ」

 私が偶然ギルドへ行かなかったら────指揮を執っていたのは、おそらく『黄金の鳥』のリーダー、ドギさんのはずだ。

 集落潰しや魔獣討伐の参加者のランクが同列の場合、援護を要請したパーティーが中心となるのが通常だ。

 『黄金の鳥』は、それなりに実績のあるパーティーだし────集団で戦うことに慣れていない私よりも、ドギさんなら上手くやりそうに思うけど。

「…納得していない顔だな。まったく、お前は…。まあ、いい。とにかく、よ
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