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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十一章―ファルリエムの忘れ形見―#4
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の欠陥なのか───それとも、魔力の経路に不具合があるのか。

 私が発動したときは、自分で魔力を流し込んだから、最大限の威力を発揮できたのだろう。

「多分、魔力が魔術陣に行き渡っていないのが原因ですね。杖には、魔力を吸い上げ、魔術陣に流し込むように設定してあるので、きちんと魔力が行き渡り、既定の威力を発揮できるのだと思います」
「そうなのですか…。では、同じ魔力量で前よりも威力の強い魔術を発動できるのですね」

 セレナさんが、納得したように呟く。

「それでは───私が発動したときと、リゼラさんが発動したときでは、氷の形が違うのは何故なのでしょう?」

 そのことについては、集落潰しの際、分析したから理由は解っている。

「それは、イメージの違いですね。私の場合は、無意識に自分の剣の刃をイメージしていたようです。私が放った氷刃は───ほら、この剣の形状に似ていたと思いませんか?」

 私は、対の小太刀の一つを鞘から抜いて、セレナさんに示す。

「確かに…、似ています。私の場合は────おそらく…、お兄様の魔術を真似ているのでしょう」

 セレナさんはそう言って、少し考え込んでから────また口を開いた。

「私でも…、氷塊の形状を変えることはできるでしょうか?」
「できるのではないかと思います。ただ、無意識にお兄様の魔術をイメージしているようなので、意識してイメージをする訓練をした方がいいかもしれません」
「なるほど…」

 私は、ヴァルトさんとハルド君の方を見遣る。

 ヴァルトさんが嬉々として、ハルド君に猛攻を浴びせている。ハルド君はさばくので精一杯のようだ。二人の手合わせは、まだ終わりそうもない。

「ヴァルトさんたちの手合わせは長くなりそうですし────ちょっと、訓練をしましょうか」
「いいのですか?」
「ええ、セレナさんさえよろしければ」
「それなら、ぜひお願いします…!」

 セレナさんは嬉しそうな笑みを浮かべ、私に向かって頭を下げた。


◇◇◇


「ったく、ちょっとは手加減しろよ、ジジィ。こんなの手合わせの域じゃねぇだろ」
「何を言っとるか。男がこれくらいで音を上げてどうする」

 しばらくして────セレナさんの訓練が一区切りついたところで、ちょうどヴァルトさんとハルド君の手合わせが終わったので、テーブルとイスを取り寄せて、私たちは休憩をとっていた。

 アイテムボックスにストックしておいた───真ん中にナッツを埋め込んだ絞り出しクッキーと、紅茶も出して、セレナさんたちに振舞う。

「これ…、“クッキー”っていうんでしたか?とても美味しいです。この紅いお茶も」
「ふふ、お口に合ったなら良かったです」

 本当に美味しそうに、少しずつクッ
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