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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十一章―ファルリエムの忘れ形見―#3
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ンバー皆で一緒に考えるのも、楽しいかもしれない。


◇◇◇


「さて、次の用件ですが────皆さんに渡したいものがありまして」

 私は、アイテムボックスから───予め取り寄せて、【防衛(プロテクション)】を施しておいた支給品の武具を呼び寄せる。

「間に合わせでありますが、とりあえずこの武具を渡しておきます。これには魔術をかけてありますので、刃毀れや損壊はしません。いざというときに使ってください」
「いや、間に合わせって───今使っている武具よりもグレードが高いんだが…」

 呆れたように、ヴァルトさんが言う。まあ、古代魔術帝国で造られたものですからね。

「それから、この【収納袋】と、【ポーション】を渡しておきます。この【ポーション】は、ある程度の傷なら、瞬時に全快します。切羽詰まったときだけ、使うようにしてください」

「それは───すごいな。そんな貴重なもの、ワシらに渡しちまっていいのか?」
「ええ、仲間ですから。ただ───これらの存在は知られたくないので、扱いには注意するようにお願いします。ですが───命に係わるような有事の際は、遠慮なく使ってください」
「おう、そうさせてもらう。ありがとうな、隊長さん。主殿にもお礼を伝えておいてくれ」

 ヴァルトさんの私の呼び名────『隊長さん』で定着しちゃったのか…。

「ありがとうございます、リゼラさん」
「…ありがとうございます、リゼラ様」

 続いて、セレナさん、ハルド君がお礼を言ってくれる。


「それと───セレナさんには、これを」

 この訪問の最大の目的と言っていい、セレナさんに渡すために昨日ノルンと創ったものを、アイテムボックスから取り寄せる。

「これは────杖、ですか…?」

 そう、1mに満たない長さの短杖だ。

 一見すると(シルバー)でできているようだが、実はフェイクだ。セレナさんが持つことを考え、重量は軽くしてある。

 杖の先には、掌より一回りほど大きい───円盤のようなものが取り付けられている。

「実は、この円い部分、開くようになっていまして────」

 懐中時計のように分離するようになっており、開けると中は空洞になっている。

「ここには…、“氷姫”を嵌め込めるようになっているんです」
「“氷姫”を?」
「ええ。一昨日、セレナさんが“氷姫”を使っているとき、何て言うか───ちょっと使い辛そうに見えたので…」


 “氷姫”は───魔術陣や魔術式は全てそうなのかもしれないが───触れている部分から魔力を引き出す。

 そのため、発動してしまわないよう、持ち方も慎重にしなければいけないようなので───戦場では不便な気がしたのだ。


「この杖の持ち手の部
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