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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十一章―ファルリエムの忘れ形見―#3
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 ベルネオさんが案内してくれた物件は、ボロボロでいかにも廃屋という感じだったけれど、建物の大きさも部屋数も申し分なく───レド様はその場で購入を即決した。

 支払いは、予算から出すわけにはいかないので───レド様の資産からだ。


 【認識妨害(ジャミング)】をかけてから、建物を【拠点(セーフティベース)】として登録した後、拠点専用スペースに送った。

「それでは───リゼ、後を頼んだ」
「はい、お任せください。────ノルン、手伝ってね?」

 私がそう言うと、すぐにノルンの弾んだ声が返ってきた。

───はい、勿論です!(マスター)リゼラ!───


◇◇◇


 ラムルの肩に、忽然と、栗鼠のような精霊獣が現れる。私の使い魔───ローリィだ。

「もう来てもいいそうです」

 可愛らしい声で、ローリィが報告する。

 これからレド様がロルスの授業を受けに行くため、ロウェルダ公爵邸へ伺いを立ててもらったのだ。


 ローリィを含めた栗鼠やネズミ型の精霊獣たちには───ラムルの下で、こうした連絡役や情報収集を担ってもらっている。

 ネロもそうだけど───精霊獣は気配を感じさせずに行動することができるので、うってつけなのだ。

 ネロには自分の出番が減ったと拗ねられてしまったけど。帰ったら、ネロを存分に構ってあげよう…。


「ベルネオ───朝早くからご苦労だった。また何かあったら、どうかよろしく頼む」
「勿体ないお言葉です。何かありましたら、いつでも仰ってください。尽力致します」

 レド様が労いの言葉をかけると───ベルネオさんは喜びが滲んだ声音で応えた。

「それでは、私はこれにて、御前を失礼いたします」

 ベルネオさんは2軒隣の自分の商館へと戻っていった。

 商館は拠点登録をさせてもらい、【転移門(ゲート)】も設置させてもらっている。
 今後は、直接来ることもできるし───物資を調達してもらったら【現況確認(ステータス)】で移動させることもできる。


「俺たちも行くとするか。────リゼは、この後、セレナたちを訪ねるのだったか?」
「はい。新しいお邸の設備や自室の要望を訊きたいと思いまして。それと、渡したいものがあるので」

「渡したいもの────昨日、ノルンと創っていたあれか。俺も一緒に行きたいところだが…、ロルスが待っているからな。セレナたちによろしく伝えておいてくれ」
「はい」

「そのうち、セレナたちやエルたちにも、精霊樹の森を案内したいな」
「そうですね。アルデルファルムやヴァイスたちにも紹介したいですね」
「そうだな」

 新しい仲間たちをアルデルファルムに紹介できることが嬉しいのか───レド様は口
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