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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十章―見極めるべきもの―#7
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ジェスレム皇子のやりようは許せないし───ジェミナ皇妃もこのまま、のさばらせておいていいとは思えないんです。
ルガレド殿下は、あの二人に虐げられていると聞いています。私は…、殿下を兄のような目に遭わせたくないのです」

 そう言ったセレナさんは、儚げなのに凛々しくて────とても美しく見えた。彼女の決意は────本物だ。

「…ヴァルトさんとハルド君は、セレナさんに仕えているのでしょう?私やレド様に、セレナさんが仕えることは賛成してもらえるのですか?」

 私が訊くと、セレナさんはちょっと驚いたように眼を瞬いた。


 それまで黙っていたハルド君が進み出て────口を開く。

「オレとしては、お嬢───セレナ様が、貴女やルガレド皇子殿下に仕えることは賛成です。このまま冒険者をしていても埒が明かない。きっとヴァルトも賛成するはずです」

 ハルド君は、ヴァルトさんとの遣り取りで見せた年相応の表情が嘘のように────セレナさんの従者に相応しい大人びた表情で答える。

 秘かに【心眼(インサイト・アイズ)】で二人を視てみたが、どちらも心根は澄んで───煌いていた。

「…解りました。レド様を───ルガレド殿下をお呼びします。ここに来ていただきましょう」


◇◇◇


「話は解った。セレナ嬢、ヴァルト、ハルド───三人とも、俺に仕えたいということでいいんだな?」


 レド様だけでなく、施療院から戻ったヴァルトさんも交えて───もう一度事情を説明して、話し合った。

 ヴァルトさんは、賛成どころか、自分も直接レド様に仕えたいと申し出て───ハルド君もそれに追随した。

 セレナさんはそれでいいのかと様子を窺ったが───セレナさんの表情は、肩の荷が下りたような、安堵した表情だった。本来なら受け継ぐはずのなかったものを背負って、重荷のように感じてしまっていたのかもしれない。


「ここにいるリゼラは、俺の親衛騎士というだけでなく───俺の婚約者でもある。俺に仕えるからには、リゼラにも同様に仕えてもらうことになる。それでいいというのならば───受け入れよう」

「私は、元々リゼラさんに仕えるつもりでした。異論はございません」

 セレナさんは、何だか嬉しそうに頷く。

「ワシ───いえ、自分も、隊長───いや、リゼラ様の実力はこの眼で見ている。リゼラ様の下につくことに、異論はありませぬ。────そうしたら、手合わせもしてもらえるだろうしな」

 ヴァルトさんが、小さな声で最後にぼそっと付け加えた。まあ、鍛練で、手合わせはすることになるだろうけど…。

「オレも───リゼラ様に仕えることに異論はありません」

 レド様は、それぞれ答える三人を、鋭く見据えている。神眼で性根を見透か
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