暁 〜小説投稿サイト〜
コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十章―見極めるべきもの―#5
[1/6]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

「ご苦労様です、皆さん」
「あれ、リゼさん?」

 エイルさんとディドルさんが到着した後───時間を置かずに、もう一人のソロ冒険者、『リブルの集い』、『暁の泉』が続けて到着して───フェドさんの案内で、無事『黄金の鳥』と合流した。

 『黄金の鳥』の斥候のレナさんが、不思議そうに私を見遣る。

「今回は、私が指揮を執ります。よろしくお願いします」
「ぁ、いや───こ、こちらこそ…」

 『黄金の鳥』のリーダーである剣士のドギさんが代表して、何故かしどろもどろに応えた。

 ドギさんは、ヴァルトさんやディドルさんほどではないが体格が良く、いかにも冒険者といった風情の中年にさしかかった年齢のベテランだ。

「ちょっと、リーダー。何どもってんのよ。もっとしっかりしてよ」

 レナさんが、茶々を入れる。厳しい言葉とは裏腹に、レナさんは何だか楽しそうに笑っている。


「早速ですが、状況は?」

 私が訊くと、ドギさんがレナさんに目配せし───レナさんは表情を引き締めてから口を開いた。

「集落に関しては、報告通りよ。総数は────120近いわ」
「成体でその数ということですか?」
「ええ。まだ繁殖は始まっていないようよ。成体しか見当たらなかった」
「変異種は?」
「確認できていないわ」
「…そうですか、解りました。ありがとうございます」

 この規模の集落で、オーガロードがいないはずがない。いると想定しておいた方がいいだろう。

「『黄金の鳥』の皆さんの状態は?ケガをしている人、体調の悪い人はいますか?」
「大丈夫よ」

 メンバーが首を横に振ったのを見て───レナさんが答えた。

≪レナス、集落を【索敵】してみてくれますか?≫
≪かしこまりました≫

≪ノルン、レナスのサポートをお願い≫

───はい、(マスター)リゼラ!───

 ノルンの弾んだ声が頭に響く。


 この【索敵】という魔術は───昨日、私がノルンと共に編み上げたオリジナルの魔術だ。

 といっても───特殊能力【地図製作(マッピング)】と私の【技能】である【測地】を参考にして魔術を編み上げ、それに【解析(アナライズ)】を加えただけだけど。

 レド様と私の“眼”を併用した【地図製作(マッピング)】に比べたら性能は劣るが───私とレド様以外【地図製作(マッピング)】自体を発動できないので、レナスたちでも行使が可能なのが利点だ。

 【認識妨害(ジャミング)】を使えば───周囲に悟られることなく、魔術を行使することができる。

 だけど───どうやら、私とレド様以外、能力や魔術を同時発動できないらしいので───レナスには冒険者ギルドで、私が創り上げた腕時計に仕込んだ【|認識
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ