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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十章―見極めるべきもの―#5
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ャーは、私が攻め入る直前に弓で射殺します。その後、一斉に攻め入りたいと思います」

「一斉にって────どうやって?」

 レナさんが口を挟んだ。

「時計を持っている人は?」

 私が訊くと、幾人かが持っている旨を口々に宣告する。各班、誰かしら持っていて────誰も持っていないということはないようだ。

「時間を決めて、その時間に一斉に攻め入るつもりです。時間を確認する係を決めてください」

 私の班は、アーシャが担当することになった。

 アーシャは、懐中時計を持っていないので────私はマジックバッグから、以前使っていた懐中時計を取り出し、アーシャに渡す。

 腕時計はあるが、【認識妨害(ジャミング)】が働いているため、腕時計で確認するのは人前では不自然になる。

「アーシャ、懐中時計持っていないよね。これを使って」
「解った。借りるね」

「返さなくていいよ。これからも必要になることはあるだろうから、そのまま持ってて」
「いいの?」

 この懐中時計は思い入れがあるものだけど────きっと、もう使わない。しまいこんでおくよりも、アーシャに使ってもらった方がいい。

「うん。その代わり、大事に使ってね」
「勿論、大事にするよ!ありがとう、リゼ姉さん」

 アーシャは、嬉しそうに破顔して頷いた。喜んでくれたことに、私も嬉しくなる。

 他の班も、それぞれ時計係を決められたようだ。
 念のため、使う懐中時計が遅れていたりしないか、見合わせて確認する。

「時計が30分を指したときに、攻め入りを開始します。────何か、質問などはありますか?」

 皆一様に首を横に振る。誰も、何もないみたいだ。

「それでは────移動を開始しましょう」


◇◇◇


 私はアーシャを伴って、攻め入る予定の出入り口から少し離れた───見張り台が見える位置についた。

 『暁の泉』には───攻め入る予定の出入り口の側で、すでに待機してもらっている。

「アーシャ、今、何分?」
「21分だよ」

 さて───そろそろ、始めるかな。

 私は【心眼(インサイト・アイズ)】を発動させてから、【遠隔(リモート・)管理(コントロール)】で手鏡を取り寄せる。

 そして、ちょうど真向いに昇っている太陽の光を手鏡で捉えた後、手鏡の角度を変えて───見張り台にいる一番手前のアーチャーに向けて、陽光を反射させた。

 光に気づいたアーチャーが、こちらに向かって身を乗り出す。私は手鏡をアイテムボックスへ送り、弓を手に取った。

 構えると矢が現れ、身を乗り出しているアーチャーを狙って、矢と弦を放つ。眉間に矢が突き立ち───アーチャーは見張り台から墜ちていった。

 
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