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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十章―見極めるべきもの―#2
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え込むより、頼ってもらった方がルガレド様は喜ぶと思います」

 レド様なら────確かに、そうだろう…。
 だけど、レド様だって忙しいのに───時間をとらせてしまうのは、抵抗があった。

 私が躊躇っていると、ジグがちょっと人の悪そうな笑みを浮かべた。

「…リゼラ様、ロウェルダ公爵家での授業が終わり次第、ルガレド様がこちらに来てくださるそうですよ。ノルンの件は、何もせず、そのままにしておくように────とのお達しです」

「え───レド様に話してしまったんですか…!?」
「リゼラ様、自分はリゼラ様の護衛です。リゼラ様が、お倒れになるような事態は看過できかねます。ですから───諦めてください。ルガレド様の魔力量なら、倒れることもなくできるのですから、いいではないですか。ルガレド様にお任せしてしまいましょう。
ノルン───お前も、リゼラ様が自分のために倒れてしまうようなことになったら、嫌だよな?」
「当たり前です!(マスター)ルガレドに頼みましょう、(マスター)リゼラ」

 ノルンが泣きそうな表情で────潤んだ眼で私を見上げる。
 う…、これは────逆らえない…。

「……ジグの策士」

 つい、拗ねたような口調で、そんな言葉を零してしまった。

 私が観念したことを察したからか────ジグは、人の悪そうな笑みではなく───何だか嬉しそうな…、朗らかな笑みを浮かべた。

「……何で嬉しそうなんですか」

 ちょっと恨みがましく言うと、ジグは笑みをさらに深めて答えた。

「いえ───リゼラ様が、そのようなお顔を見せてくださるのは────初めてでしたので」


◇◇◇


 もう───こうなっては仕方がない。
 レド様が来られるまで、できることをやってしまおう。

 私たちは、アルデルファルムのところを辞して────また“お城”の工房へと戻る。

「ところで────ノルン。ノルンは、レド様と私の魔力で、亜精霊から精霊に成ったんだよね?これって、特別なことなの?それとも────ジグや、他の皆の【案内(ガイダンス)】も精霊に成るの?」

「いえ、成らないと思います。(マスター)ルガレドと(マスター)リゼラの魔力は多いだけでなく、とても濃厚だったからこそ、私は精霊に成れたのです」
「そう…。皆にも、ノルンのような精霊がサポートしてくれたら───と思ったんだけど……」

 そう上手くはいかないか…。

「それなら────私が、皆さんのサポートをしましょうか?」
「…そんなことできるの?」
「私が、皆さんの【案内(ガイダンス)】を呑み込んでしまえばいいのです!」
「え?」

 ノルンが胸を張って、得意げに言う。
 その様子はとても可愛らしいけど───
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