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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十章―見極めるべきもの―#2
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───エルフも精霊獣も、精霊が肉体を持った存在だということはお話ししたと思います。より詳しく言うなら、人間の肉体に精霊が宿って生まれたのが原初エルフで───最初は少数だった彼らが繁殖した結果、生まれたのがエルフという存在です。
ですが、精霊獣は肉体を持った過程がまったく違います。精霊獣は───精霊樹から生まれ落ちます。精霊獣は魂魄の状態で生まれ落ち、魂魄の“潜在記憶”に蓄積された───かつての姿を元にして、魂魄に大量に含まれた魔素を使って今の姿を成しているのです>>>
「“潜在記憶”に蓄積された姿────ヴァイスやこの子たちは…、元は普通の動物だった、ということですか?」
<<<そうです。かつて───この森で生きていた獣たちの魂魄が、死した後、精霊樹へと取り込まれ、同じく取り込まれた魔素と融合し、再び生まれ落ちた存在なのです>>>
「それなら…、今のノルンは、エルフよりも精霊獣に近い存在────ということですね」
ノルンは、精霊樹から流れ込む豊富な魔素を使って、私という存在の情報を元に実体をとっている。
「ノルンに大量の魔素───魔力を与えれば…、この子たちのように───この森の外でも実体を保てますか?」
<<<ええ。保つことができるでしょう>>>
「そうですか…。私がノルンに魔力を与えるとして────実体を保てるようになるのに、私の固有魔力量だけで足りますか?」
<<<…ノルンが精霊獣のような存在になるのは、リゼラの固有魔力量では、少し足りないでしょう>>>
「少し───ですか…」
少し足りないということは────共有魔力を使わせてもらえば、できるということだ。
ただ────心配をかけてしまうことになるかもしれない。レド様に説明してから、実行に移した方がいいかな…。
「…アルデルファルム、訊いてもよろしいですか?リゼラ様の固有魔力では少しだけ足りないということは───ルガレド様の固有魔力なら足りるということでしょうか?」
珍しいことに───不意にジグが口を挟んだ。
<<<ええ、ルガレドの固有魔力量なら、足りるでしょう>>>
「ありがとうございます、アルデルファルム」
ジグは答えてくれたアルデルファルムにお礼を言うと────私に向き直って、再び口を開いた。
「リゼラ様、この件はルガレド様に任せてみてはいかがでしょう?ノルンは、ルガレド様とリゼラ様の精霊なのでしょう?リゼラ様が無理をしてまで、一人で抱え込む必要はないと思います」
「でも────レド様にもやることがありますし…」
「いや、どう見ても────ルガレド様よりも、リゼラ様の方がやることを抱えています。一つくらいルガレド様にお任せしてもいいんじゃないですか?リゼラ様が倒れてまで抱
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