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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第二十章―見極めるべきもの―#1
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アに挨拶をして、ラナ姉さんに今朝の話し合いのことを報告した後、私は本日の護衛であるジグを伴って、“お城”へと跳んだ。

 昨日と同じく、そこにはノルンとヴァイスが待ち受けていた。

(マスター)リゼラ!」
「おはよう、ノルン、ヴァイス」

 今日は、ノルンがこの森以外でも活動できるよう、何か講じるつもりだ。

 早速、皆で工房に繋げた調練場へと向かう。調練場は時間の流れを変えることが出来るので、時間が足りないこの状況では、本当に助かる。

「それじゃ、ノルン───始めようか」
「はい!」
「まずは、現状の把握からだね」

 ノルンは、【案内(ガイダンス)】という亜精霊だったが、レド様と私の魔力によって、自我を持つ力のある精霊へと昇格したという。

 ジグやレナスが私たちの濃厚な魔力を大量に体内に流すことにより、魂魄の位階が上がったのと同じ原理だそうだ。

 そして、今は───この森を守る“原初エルフの結界”の核である自我を持たない精霊を呑み込んだために、核そのものとなっている。

「でも、ノルンは、今でもレド様と私のサポートをしてくれているよね」
「ええ。“私という存在”の大部分は“結界の核”ですが、(マスター)ルガレドと(マスター)リゼラに繋がっていて、動かすことのできない私の一部が留め置かれている感じですね」

「その“動かすことの出来ない一部”というのが、特殊能力【案内(ガイダンス)】────ということ?」
「はい。私たち【案内(ガイダンス)】は、“命令を書き込んだ核”を亜精霊に埋め込んだ存在なんです。核に書き込まれた命令通りにしか動けません。(マスター)たちの中に残っているのは、その核を埋め込まれた部分ということです」

「ノルンにとって、その“命令を書き込まれた核”というのは、どういうもの?異物でしかないの?それとも────それがノルンの存在を創り上げているの?」
「“命令を書き込まれた核”は───(マスター)リゼラの仰る通り、“私という存在”を創り上げているものです」

「それなら、安易に消すことはできないね。上手く上書きができればいいんだけど───とにかく、どんな方法にせよ、ノルンが自由に動くなら、その核を何とかしなければならない────ということね…」
「はい…」

 【心眼(インサイト・アイズ)】で分析したいけど、分析したいノルンの“核”というのは私の中にある。

 レド様はいないし───どうしたものかな。
 ふと少し後ろに控えるジグの姿が目に入った。

 そういえば───ジグは、【聖騎士】になったことにより、レド様と私よりグレードは落ちるものの、支援システムを受けられるようになった。

「ジグ、今朝の鍛練で新たな能力を検証していた
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