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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十九章―誓いと祝福―#7
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支給だけはしておきたいのです。ノルンに協力してもらえれば、できるはずです」
「なるほど…」

「それで、魔術の代わりに、私が“祝福”を施し、私が創った【魔剣】を授けるのはどうかなと思いまして」
「それは───良いかもしれません。特に、リゼラ様が“祝福”を与えるのは良いと思います。ただ誓いを立てるだけでなく、そういった儀式をすることで、仕える者の意識も上がるのではないか───と」

 雰囲気というのは、馬鹿にできない。ただ忠誠を誓うより、厳かな儀式を執り行うことで、これから命を懸けて主人に仕えていくのだという心構えができやすいはずだ。

 それに───大抵の者は、この美しい女主人に祝福をしてもらえたならば、より一層、忠誠を誓うに違いない。

 ラムルが賛同してくれたことが嬉しかったのか、リゼラは笑みを浮かべた。

「では、レド様に相談して、本格的に構築を考えることにします」 
「よろしくお願いします」



 相談が済むと、ラムルは無意識に小さく息を吐き────言葉を零した。

「それにしても────坊ちゃまは、水臭い…。この邸を持って行きたいのなら、そう仰ってくださればいいのに────」
「ええ、私もそう思います」
「まったく────もっと早く仰ってくださればいいものを」

 ラムルは、気づけなかった自分と、自分たちを頼ろうとしなかったルガレドに対して、少し情けなさを感じながら────表情を引き締まったものに改め、リゼラに頭を下げた。

「…ありがとうございます、リゼラ様。貴女が気づいてくださって────本当に、良かった。このまま辺境に赴くことになっていたら、きっと坊ちゃまは気に病んだことでしょう。この邸は────坊ちゃまにとって、主───いえ、ファルリエム辺境伯とセアラ様の形見のようなものですから」
「ええ…、私も────気づけて…、本当に良かったと思います」

 安堵したような表情で、しみじみとそう言うリゼラを見て────ラムルは、今更ながらに、不思議な感慨を覚える。


 このレーウェンエルダ皇国でもロウェルダ公爵家に次ぐ名門、イルノラド公爵家の次女として生まれながら、謂われなき冷遇を受け───冒険者として身を立てた少女。

 リゼラは、イルノラド公爵家を除籍され引き受ける義務などなかったにも拘らず、幼い頃ファルリエム辺境伯に命を救われたことを恩に着て、立場がないどころか危ういルガレドの親衛騎士を引き受けてくれた。

 何か一つでも違えば────ルガレドとリゼラは、夜会などで同じ空間にいることはあったとしても、深く交流することなどなかったはずだ。

 今、ここにいてくれることが、本当に不思議な気がしてくる。

 その上───彼女は、心を砕いてくれるだけに留まらず、ルガレドを心
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