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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十九章―誓いと祝福―#6
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様の心配を払拭させたくて、言葉を紡ぐ。
「どんなお邸にしましょうか。レド様のお部屋以外は、そんなに大きくなくても良いので、仲間が増えても大丈夫なように、部屋数が多い方がいいですよね」
「…いや、俺の部屋は小さくてもいいが、リゼの部屋が小さいのは駄目だ」
あ───これは、きっと譲らないやつだ。
私は小さく笑って、続ける。
「厨房はカデアが使えるように、古代魔術帝国仕様にならないようにしないといけませんね。それから、ラナ姉さんの作業場も欲しいですね。ジグとレナスの隠し部屋や調練場は支援システムで拡張すればいいですし、図書室は欲しいけど───これは状況によってですね」
「そうだな」
「どうせなら、間に合わせなんかではなく────皆の希望を取り入れて、皆にとって過ごしやすいお邸にしませんか?」
考えているうちにワクワクしてきて────私が勢い込んでそう提案すると、レド様が笑みを零した。
「ああ、そうしよう」
レド様がやっと笑ってくれたのが嬉しくて、私もまた笑みを零す。
レド様が顔を近づけてきたので、反射的に瞼を閉じた。唇に押し当てられた優しい温もりに、胸と頬が熱くなった。
レド様の唇が離れたのを感じて瞼を開けると────レド様が自分の額を私の額につける。
「ありがとう…、リゼ。俺は────リゼと出逢えて…、こうして共にいられて─────本当に幸せだ」
それは───私にとって…、何よりも嬉しい言葉だ。
「私もです、レド様」
込み上げる幸せに、胸がいっぱいになって────言葉が出て来なくて、もっと告げたい想いがあるのに、私はそれしか言えなかった────
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