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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十九章―誓いと祝福―#6
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「ふふ、レド様、忘れてしまったんですか?私は────“超級魔導師”ですよ?そんなの、どうとでもなります」
レド様にそんな表情をして欲しくなくて、私は
殊更
(
ことさら
)
、いたずらっぽく言う。
「そうですね…、代わりのお邸でも用意しましょうか。このお邸に訪れる人はそんなにいませんし、別のお邸になっていても大丈夫なはずです。問題は、夜会を知らせに来たあの侍従ですね。何か───認識を阻害する…、もしくは暗示をかけるような魔導機構でも仕込むことができれば……」
多分、ノルンにも手伝ってもらえばできる。
「だが───リゼには色々と任せている。そんなことでリゼの手を煩わせられない…」
馬鹿だな、レド様は。これは────“そんなこと”なんかじゃないのに。
私にとっても、とても────大事なことなのに。
「レド様…、初めて二人で街へ繰り出した日のことを覚えていますか?街から戻って────午後、ここで過ごしたときのことを────」
「勿論だ。忘れるわけがない」
「レド様は、あのとき、ここは───このお邸は、レド様と私の“帰る家”だと仰ってくださいました」
あの言葉が───私にも“帰る家”があるのだという、その事実が────どんなに嬉しかったか…、レド様は解っていない。
「このお邸は、私にとっても“帰る家”なんです。それに────レド様と過ごした思い出がたくさんある。私だって、このお邸に何かあったら───失うことになったら、嫌です────嫌なんです。だから、そんな風に思わないでください。持って────いえ、連れて行きましょう、このお邸も」
レド様はまた泣き出しそうに表情を崩して、私を抱き締めた。
「ありがとう────ありがとう…、リゼ」
私もレド様の背中に腕を回して、レド様を抱き締める。
お礼なんか言う必要ないのに────そんなことを思いながら、レド様の広い胸に頬を寄せた。
「そうと決まれば、代わりのお邸を手配しないといけませんね。規模的には、そこそこ大きな商人の屋敷あたりが妥当でしょうか?」
私がそう言うと、レド様が抱き締める腕を緩めて、私の顔を覗き込んだ。
「本当に────本当に、任せても大丈夫か?無理をしていないか…?」
「大丈夫ですよ。皆───特にレド様は心配性ですよね。ちゃんと疲れたら休息をとるようにしますし、無理などしません」
「俺はこの邸は大事だが…、それよりも───何よりもリゼの方が大事だ」
「ふふ…、私もですよ、レド様。私も、レド様が何よりも大事です。だから、レド様が私の身を案じてくれているのが解っているのに、レド様を心配させるような────悲しませるようなことはしません」
レド様の言葉が、そのお気持ちが嬉しくて─────レド
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