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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十九章―誓いと祝福―#5
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「そう…、それでは、ラナも不老長寿となって────リゼほどではないけれど、永く生きるのね?」
「うん。白炎様───神様が仰るには、おそらく500歳から600歳は生きるだろうって」
「そんなに…?」
ロウェルダ公爵邸の応接間で、私はシェリアに委細を打ち明けていた。レド様を始めとした他の皆はいない。それぞれ、やるべきことをやりに赴いている。
勿論、本日の私の護衛であるレナスは、姿をくらませて傍にいるけど。
シェリアは目の前のティーカップに触れようともせず、ただ、その表情を陰らせ────何か考え込んでいるように見えた。
「シェリア…?」
何だか心配になって呼びかけると────不意に、シェリアが私に目を向けて口を開いた。
「リゼの加護を受ければ────誰でも不老長寿になれるの?」
「シェリア?」
「それなら───わたくしにも、リゼの加護を授けてちょうだい」
シェリアのその思い詰めたような表情に─────私は眼を見開く。
「シェリア、何を言っているの?」
「だって────だって…、そうしたら、ずっとリゼの傍にいられるのでしょう…?」
「シェリア…」
「殿下の親衛騎士となるというリゼの決意を聞いたとき────わたくし、安堵したのよ。ああ───これで、リゼはこの国にいてくれる。何処にも行ってしまうことはない───と。それなのに、いずれ何処かに行ってしまうなんて───リゼを連れて行ってしまうなんて───酷いわ」
「…シェリア」
「だから…、お願いよ───リゼ。わたくしにも加護を授けて…!」
シェリアがここまで───こんな風に思い詰めるほどに、私といたいと思ってくれているとは知らなかった。
私だって、シェリアと一緒にいられたら───とは思う。できれば、その願いを叶えてあげたい。
加護だって───危険の多いシェリアにこそ、授けてあげたい。
だけど──────
「ごめん、シェリア────それは、できない」
「どうして…?」
「シェリア───ラナ姉さんたちは…、レド様と私と危険を共にするために、不老長寿になってくれたの。他の人たちとは同じ時間を生きられなくなることを覚悟の上で───なってくれたの。シェリアの───私といたいと思ってくれるその気持ちは、本当に嬉しい…。でも───そんな理由で…、シェリアを安易に不老長寿になんかできない」
私は立ち上がって、向かい側にいるシェリアの許へ行き、跪いて────眼を合わせて続ける。
「シェリア、貴女の傍にいるのは、私だけではないでしょう?おじ様やおば様、シルムにカエラさん───他にもシェリアの身を心配し慈しむ人たちが、たくさんいる。不老長寿になってしまったら────その人たちの傍にいられなくなってしまう
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