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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十九章―誓いと祝福―#4
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てから───私の右手をそっと放して立ち上がると、カデアに場所を譲る。



 カデアは────片膝ではなく、跪き、私の右手をとった。

「カデア────どうか…、最期のそのときまで、レド様と私の傍にいてください」
「この命尽きるまで───ルガレド様とリゼラ様のお傍で…、お支えすると誓います。────坊ちゃまが、もし何かやらかしたら、いつでも私が叱ってあげますから、ご安心くださいね」

 カデアは誓いの後に、いたずらっぽく、そんな言葉を付け足す。

 それがお邸の中を案内してくれたときのレド様の表情そっくりで、私は笑みを零して───頷く。カデアがいてくれれば、安心だ。


【亜神の恩寵】の発動を認識───魂魄の位階が昇格します…
───────完了
契約魔術(コントラクト)】を開始します…
【境界の神子】リゼラ=アン・ファルリエム───【聖女】カデア───契約完了
【亜神の恩寵】───【寵愛クラス】と断定
【聖女】カデアに固有能力【聖光】───授けました
【聖女】カデアの固有魔力量───【Aクラス】と認定
【聖女】カデアに【一級(ファーストグレ)支援(ードサポート)】が可能と断定───
管理亜精霊(アドミニストレーター)】に【聖女】カデアの接続許可を申請───許可を確認───【接続(リンク)】───成功
【聖女】カデアの使用可能神聖術を選出───完了
【聖女】カデア、中級神聖術【治癒】───会得しました
【聖女】カデア、中級神聖術【解毒】───会得しました
【聖女】カデア、中級神聖術【向上】───会得しました


 ノルンのアナウンスが終わって、私たちを包んでいた光も収まる。

「ありがとうございます、リゼラ様」
「いえ、当然のことです。これからも、よろしくお願いします、カデア」

 これで、カデアもずっと傍にいてくれる。
 そう考えると、嬉しくて────また笑みが零れた。


 嬉しそうに笑ってくれたカデアと笑みを交わした後───皆の方を振り向くと、レド様とジグとレナスは何故か一様に、唖然とした表情をしていた。

「あの…、どうしたんですか?三人とも」

 どうして、そんな表情をしているのか解らず、私は首を傾げる。

「…聖女?────カデアが?」

 呆然と呟いたのは、レド様だ。

「聖女って───もっと若くて、清楚な人がなるもんじゃないか…?」

 続いて、レナスが呟く。

「ああ、そうだよな。もっと…、こう───リゼラ様のような…」

 ジグも、あの微妙な表情で頷く。

「…坊ちゃま?レナス?ジグ?────今、何て…?」

「い、いや、何でもない…!」
「何も言っていない…!」
「別に似合っていないとか思っていない」

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