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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十九章―誓いと祝福―#4
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え。改めて────これからも、よろしくお願いします、レナス」

 レナスは、私の右手を握ったまま、口元を綻ばせ───嬉しそうに頷く。
 私もまた嬉しくなって、笑みを返した。



「レナス、次が(つか)えているんですから、早くどきなさい」

 意外なことに、私の右手を放そうとしないレナスにそう言ったのは、レド様でなく────ラムルだった。

 渋々、私の手を放して立ち上がるレナスを急かし───ラムルが私の前に片膝をついた。

 何か───ラムル、ワクワクしてない?

 まあ、何はともあれ、ラムルに加護を授けるために私は口を開いた。

「ラムル────どうか、最期まで…、レド様と私の傍にいてください」

 ラムルは表情を引き締めると、ジグとレナスに倣って────私の右手の甲を額に当てて、誓いの言葉を口にする。

「この命尽きるまで───我が主、ルガレド様とリゼラ様のお傍に侍り…、御身をお支えすることを誓いましょう」

 それは、“騎士の誓い”の文言とはかなり違ってしまっているし、淡々とした口調だったけれど────ラムルの忠心が如実に表れていて、胸を打たれた。

 私の心が───熱くなった感情が溢れ出し、魔術式が展開する。


【亜神の恩寵】の発動を認識───魂魄の位階が昇格します…
───────完了
契約魔術(コントラクト)】を開始します…
【境界の神子】リゼラ=アン・ファルリエム───【聖使徒】ラムル───契約完了
【亜神の恩寵】───【寵愛クラス】と断定
【聖使徒】ラムルに固有能力【回帰】───授けました
【聖使徒】ラムルの固有魔力量───【Bクラス】と認定
【聖使徒】ラムルに【二級(セカンドグレ)支援(ードサポート)】が可能と断定───
管理亜精霊(アドミニストレーター)】に【聖使徒】ラムルの接続許可を申請───許可を確認───【接続(リンク)】───成功
【聖使徒】ラムルの使用可能神聖術を選出───完了
【聖使徒】ラムル、下級神聖術【施療】───会得しました


 ノルンのアナウンスで───ラムルの魂魄はまだ昇格していなかったことを思い出す。

「おお…、これで、私も古代魔術帝国の魔導機構を取り扱えるのか…!」

 …ラムルさん?

「……失礼致しました。────ご加護をありがとうございます、リゼラ様」
「ふふ…、あ───ごめんなさい。これからも、どうかよろしくお願いします、ラムル」

 年配のラムルに失礼かなと思いながらも、何だか“お兄ちゃん”を彷彿とさせて、ちょっと微笑ましくなってしまった。

 そんなに魔導機構が好きなら、また何か創ってあげよう。それとも、一緒に創る方がいいかな?

 ラムルは口元を緩めて、私の言葉に頷い
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