暁 〜小説投稿サイト〜
コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十九章―誓いと祝福―#3
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
できるのだ、と>

「そうか…。それなら、リゼが加護を与える方がいいな」
<ふふん。そうしろ。皆もお前なんぞより、我が神子に加護をもらった方が良いに決まっている。そもそも、お前では祝福を与えられないからな。我が神子のように、澄んだ心根でないと>
「リゼの心根が澄んでいるというのは当然だが───それでは、お前が祝福を与えられるというのはおかしなことだな?どう見ても、お前の心根が澄んでいるとは思えん」

 あれ───また何か始まってしまった?

「…坊ちゃま?」

 カデアのその一言と凍てついた眼差しで、レド様は口を噤んだ。
 ……私の後頭部にしがみつく白炎様が震え上がったのは、気のせい?


「白炎様、加護と祝福の与え方について、ご助言いただけますか?」

 私がそう言うと、白炎様は、私の後頭部から肩へと移る。

<うむ、よかろう。────うん?そこの小童以外、他の者にはすでに祝福を授けているようだな>

 え、ジグ以外?

 あ───そうか。きっと、あの厨房で皆に白炎様から聴いたことを話して聞かせたときだ。

 あのとき、私はラムルとカデアが言ってくれた言葉に感銘を受け、アーシャの気持ちをとても嬉しく思った。

 ジグとの会話はうやむやになってしまったから、ジグには祝福を与えることができなかったのだろう。

「…自分以外ですか」

 ジグが、ぽつりと呟く。心なしか、声音が低い。

 そうだよね───自分だけ授けられていないなんて、いい気はしないよね。

 私は、慌てて口を開いた。

「ジグ?違いますよ?ジグには授けるタイミングがなかっただけで、決してジグを大事に思っていないとか、信頼していないわけじゃないですからね?」
「…本当に?」
「ええ、本当です。そうでなかったら───信頼していなかったら、アルデルファルムのときだって、頼ったりしないです」

 魔術を斬り裂けるのは───私とレド様の霊剣も、レナスとアーシャ、ラムルとカデアの魔剣も同じだ。

 だけど───あのときは、私は刻印を抑えるので手一杯だったし、レド様、レナス、アーシャでは距離があった。

 ジグの投剣の腕を信頼していたからこそ────無意識に頼ったのだ。

「私は、ジグ────貴方に、レド様と私の傍に最期までいて欲しいと思っています」

 私が心からの思いを言葉にすると────ジグは、黙って私に歩み寄り、片膝をついて、私の右手をとった。

 そして、誓いを立ててくれたときのレナスと同じように────私の手の甲に自分の額を押し付ける。

「この命尽きるまで────ルガレド様に…、リゼラ様───貴女のお傍に侍り、そのお命をお護り致します」

「ありがとうございます…、ジグ」

 ジグも、
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ