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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十九章―誓いと祝福―#3
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─言うまでもない…。

「ご苦労だったな、鳥」
<おま…、もっと優しく持て!強すぎるぞ、力が…!>
「大丈夫だ、もし潰れてしまっても、特別に神聖術で治してやろう」
「レ、レド様…!」

 レド様を慌てて止めていると、ラナ姉さんが言った。

「ねえ、リゼ。あのブランコ乗ってみてもいい?」

 …マイペース過ぎるよ、ラナ姉さん。


◇◇◇


「ここで、【契約】も済ませるか。────場所を借りるぞ、鳥」

 レド様は、私の後頭部に張り付いている白炎様の返事を聴くことなく、イスから立ち上がる。

「ラナ」

 レド様に呼ばれて、ラナ姉さんが慌ててブランコから立ち上がった。

 天蓋に施された窓から降り注ぐ陽光に照らされた白い軍服姿のレド様は、一幅の絵のようで───これで、主従の契約を交わすなんて────まるで、物語の一場面みたいだ。

 何となくラムルとカデアにも見せてあげたくなって───口を挟んだ。

「お待ちください、レド様───ラムルとカデア、それにアーシャも呼びませんか?」
「ラムルたちを?」
「ええ。ラナ姉さんのことを紹介したいですし───皆にも加護と祝福を授けたいので」
「…そうだな」

「では、まず、ラムルとカデアを呼びますね」
「ああ、頼む」

 ラムルとカデアは、今日もこの孤児院で子供たちの指導をしてくれている。私は、【念話(テレパス)】でラムルとカデアに呼びかける。

≪ラムル、カデア、取り込み中にごめんなさい。今、レド様とこちらに来ているんですが、切りのいいところで、塔の方へ来てもらえますか?≫
≪かしこまりました。すぐに、カデアと共に向かいます≫
≪待っています≫

「ラムルとカデアは、すぐに来てくれるそうです」
「そうか。アーシャはどうするんだ?」
「ちょっと試してみたいことがあるんです」

 私はレド様にそう断って、とりあえず、アーシャに【念話(テレパス)】で話しかける。

≪アーシャ、今、話しかけても大丈夫?≫
≪リゼ姉さん?…うん、大丈夫。カエラさんしかいないから≫
≪ちょっとこっちに来て欲しいんだけど───カエラさんに訊いてみてくれる?≫
≪解った。────────大丈夫だって≫
≪そう。それじゃ、そのままそこでじっとしてて≫
≪うん≫

 【念話(テレパス)】を一旦切り、今度は【把握(グラスプ)】を発動させて、アーシャのいる位置を探る。アーシャの存在を掴むと、私は【転移(テレポーテーション)】を発動させた。

 光が収まると、そこには目を白黒させるアーシャが立っていた。

「すごいな。一体どう───」
<すごいではないか、我が神子よ。一体どうやったのだ?>

 後頭部に張り付く白炎様が、子供の
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