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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十九章―誓いと祝福―#2
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「それでは────リゼは…、老いることなく、これから千年以上は生きる、と…?」
シェリアが、眼を見開き、呆然とした態で呟く。
「そうだ。だから…、俺たちは、役割を終えたら────いずれ、姿を隠すことになる」
それが、どういう形になるかは今は判らないけれど────そうせざるを得ないはずだ。
何となく、シェリアとラナ姉さんの方を見られなくて、私は俯いた。
「ずるい…」
シェリアの怒りに震えているような声音に、私は思わず顔を上げる。
「ずるいですわ、殿下。リゼを、連れて行ってしまうなど───独り占めするつもりですのね?」
ええと…、何を仰っているのでしょう、シェリアさん。
「悪いが…、リゼは俺のだ。諦めてくれ」
いや、レド様も真顔で何を仰っているのですか?
「わたくし、役目を終えたリゼと老後を過ごそうと思っていたのに────酷いですわ」
「いや、役目を終えたとしても────リゼは俺と共に過ごすに決まっているだろう?」
これは───ジグのように私に気を使って、こんな雰囲気になってるのだろうか…。それにしては、二人とも真顔なんですけども…。
思わず、ラナ姉さんに助けを求めて目を向けると───ラナ姉さんはラナ姉さんで、真剣な表情で口を開いた。
「…ねえ、リゼ。よく解らないんだけど────何が問題なの?」
「え?」
「リゼと殿下の配下になって、魔術を使ったら、不老になって寿命が延びるのは解ったけど。それの何が問題なの?」
ラナ姉さんも、レド様とシェリアと同じように────真顔で言う。
「何がって────だって…、結婚しても、旦那さんと同じ時を生きられないんだよ?きっと────子供や孫だって、見送ることになる。
それに、同じ場所には、ずっと住んでいられないだろうし────いずれ、独りになっちゃうんだよ?」
「まあ、わたしが老いずに永く生きることに理解ある男を見つけなきゃいけないから、ちょっとそこがネックだけど、それだけじゃない?
逆だったら、気にしたかもしれないけど。だって、旦那だけ若いままで、わたしは老いていくんだったら、浮気の心配とかしなきゃいけないでしょ?」
「ええ?」
ラナ姉さんが真顔のままそんなことを話すから、私は面食らって、すっとんきょうな声を上げてしまった。
「男って、妻が年を取り始めたら、若い娘に目が行くらしいよ。その時分が一番、危険なんだって」
「……それ、誰情報?」
「ケイナさん」
ケイナさんとは、ミナが修行をさせてもらっているアトリエのおかみさんの名だ。ラナ姉さんも修行させてもらったことがあり───今でも仕事を回してもらったりしてお世話になっている。
「…ねえ、リゼ。旦那も子供も
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