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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十九章―誓いと祝福―#2
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葉が許せないようで───今だにぷりぷりと怒っている。

 ラナ姉さんは、白炎様の怒りなど、どこ吹く風だ。
 まあ、今の白炎様は、怒ったとしても可愛らしいだけだから仕方がない。

「申し訳ありません、白炎様。ラナ姉さんも悪気があるわけではないのです。私は、白炎様のことを、荘厳だと思っていますから」
<…我が神子がそう思ってくれているというのならば、あの小娘の発言は忘れよう>
「ありがとうございます、白炎様」

 私の左肩に乗っている白炎様は、機嫌が直ったのか───私の頬にその柔らかな羽毛を擦りつけた。

「…リゼは優し過ぎる。そんな鳥になど、そこまで気を遣ってやる必要などないのに」

 あれ、おかしいな────ちゃんと白炎様に【結界】を張っているはずなのにな。


「そ、それでですね、白炎様───お訊ねしたいことがございまして…」
<ああ、そうだったな。して、訊ねたいこととは何なのだ?>
「実は────」

 私は、ラナ姉さんに“加護”を与えてしまったらしいことを打ち明ける。

<ふむ。確かに───我が神子の加護が、その小娘にかけられているな…。
それに────“祝福”も与えられている>

「…“祝福”?」

<そう、祝福だ。加護とは違い、心の奥底からその者の幸せと幸運を願わねば、かけられない。あの小童に与えたときも思ったが────其方の祝福は、澄んでいて本当に綺麗だ>

 あの小童に与えたとき…?
 白炎様の言う“小童”って────ジグかレナスのことだよね?

「白炎様?それは…、私が以前にも誰かに祝福を与えた────ということですか?」
<与えたではないか。ほら、そこの小童に>

 白炎様が示した先は────レナス?

 ジグとレナスは今、ラナ姉さんの手前、【認識妨害(ジャミング)】で姿をくらませた状態だが、白炎様には通じていないようだ。
 レナスを認識できないラナ姉さんは、不思議そうにしている。

「レナスに…?」

 白炎様は私の肩から、円いテーブルの真ん中に下り立つと───器用に右足を前面に出し、左側の翼を差し出すように広げた。

 そう───まるで、片膝をついて、左手を差し出すように。

<そこの小童が、こうやって其方の手を取って───命尽きるまで傍にいてお護りします───とか何とか誓いを立てたときに、与えていただろう?>

 ああ…、そうか────あのとき、私は確かに、レナスの幸せと幸運を願っていたかもしれない。

「ほう…、レナスが───リゼに───リゼの手を取って…、そんな誓いを立てたと────」

 レド様が、地を這うような凍てついた声音で呟くのが聞こえ────私は慌てた。

「え、ちょっ───レド様、誤解です!レナスは、レド様と私
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