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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十九章―誓いと祝福―#2
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リアにはノルンの声が聞こえていないはずなので────何が起こったのか、私たちよりも解らないに違いない。

「ええと、リゼ────今の何…?」
「………ラナ姉さん、“聖女”になっちゃったみたい」

 しかも、何だか───私に厨二っぽい称号がついていたような…。

「…リゼ?今のは?」
「おそらくですが…、私がラナ姉さんに、“加護”を与えてしまったのではないかと…」

 白炎様は、私が神と深く繋がり、神に近い存在だと仰っていたし───アルデルファルムは神に次ぐ魂魄の位階を持つために、アルデルファルムに加護を与えられた者は、魂魄の位階が上がるのだと言っていた。

 私が、ラナ姉さんに無意識に“加護”を与えたことにより、ラナ姉さんの魂魄の位階が上がって───“聖女”となってしまったのだろう。

「………気が進まないけど、仕方がない」

 レド様が、眉を寄せて────物凄く嫌そうな表情で呟く。

「レド様?」
「鳥に───あの神の許へ行く」


◇◇◇


 不満そうなシェリアにまた後で説明することを約束して、ロウェルダ公爵邸を辞した私たちは、ラナ姉さんを伴って孤児院へと跳んだ。

 北棟の扉を開いた瞬間───いつものように、弾丸のごとく白炎様が胸に飛び込んできた。

<我が神子よ、来てくれて嬉しいぞ。今日はどうしたのだ?来る予定ではなかっただろう?>
「おはようございます、白炎様。今日はお訊ねしたいことがあって来たのです」
<何でも訊くが良いぞ。我に解ることなら、何でも教えよう。───それにしても、我が神子よ、今日は白いのだな。我と同じ色だ>

「え?」

 白炎様に言われて、私もレド様も礼服を試着したままだったと気づく。

「鳥───リゼはお前と同じ色なのではなく、俺と揃いの礼服を着ているだけだ」

 白炎様は、私とレド様を見比べ、鼻で笑った───ように感じた。

<ふふん、我が神子は、我と同じで白を纏うと神聖な印象だが────おまえは、ただ白いだけだな>

 あ───まずい。レド様のこめかみに、血管が…。

 私は、急いで白炎様を【結界】で覆う。

「リゼ────この変な鳥が、神様なの?」
<へ、変な鳥だと…!?何だ、この無礼な小娘は…!>

 ああ───ラナ姉さんの言葉に、白炎様がいきり立ってしまわれた…。

「ラナ、よく言った。そうだよな、変な鳥にしか見えないよな」

 レド様…。



「へえ────塔の中って、こんな風だったんだ」

 ずっとロウェルダ公爵邸に泊まり込み、一度も孤児院に戻っていなかったラナ姉さんが、感心したように漏らした。

<違うぞ。我が神子が、我のために整えてくれたのだ!>

 白炎様は、ラナ姉さんの先程の言
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