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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十九章―誓いと祝福―#2
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孫も見送ることになったとしても───わたしは独りにはならないわよ。子供や孫がいるなら、曾孫も玄孫(やしゃご)もいるかもしれないでしょ。それに───リゼも、アーシャだっているんだから、独りになるわけないじゃない」

「!」

 それは────レナスにも言われた言葉だ。

「それとも、何?リゼは、殿下以外とは逢わないつもりなの?」

 ラナ姉さんに言われて、気づく。

 私は────馬鹿だ。本当に、何を考えていたのだろう。
 こうやって…、傍にいて、支えてくれる大事な人たちが、身近な人を亡くして悲しんでいるとき───放っておくことなどできるはずないのに。

 大事な人を、独りにさせておくことなどあり得ないのに─────

 私は、自分の馬鹿さ加減に苦笑しながら────ラナ姉さんの問いに、首を横に振る。

「リゼは、時々、考え過ぎて馬鹿になるのよね。本当───放っておけないんだから」

 ラナ姉さんが、慈しみを籠めた優しい眼で私を見て、柔らかく微笑む。
 ああ、私の好きな────ラナ姉さんの笑顔だ。

「ふふ、そうだね。だから…、ラナ姉さん────これからも、私の傍にいてくれる…?」
「当たり前でしょ。わたしたちは家族なんだから」

 ラナ姉さんは、事も無げに応えてくれた。

 ラナ姉さんが、ずっと傍にいてくれる────そう思うと嬉しくて、笑みが零れる。

「ありがとう…、ラナ姉さん」

 危険を顧みず、私を支えようとしてくれる、この大事な姉を───絶対に傷つけさせたりはしない。

 私の持てる力で護らなければ────そう心に決めたとき、不意にノルンの声が響いた────


【亜神の恩寵】の発動を認識───魂魄の位階が昇格します…
────────完了
契約魔術(コントラクト)】を開始します…
【境界の神子】リゼラ=アン・ファルリエム───【聖女】ラナ───契約完了
【亜神の恩寵】───【寵愛クラス】と断定
【聖女】ラナに固有能力【聖域】───授けました
【聖女】ラナの固有魔力量───【Aクラス】と認定
【聖女】ラナに【一級(ファーストグレ)支援(ードサポート)】が可能と断定───
管理亜精霊(アドミニストレーター)】に【聖女】ラナの接続許可を申請───許可を確認───【接続(リンク)】───成功
【聖女】ラナの使用可能神聖術を選出───完了
【聖女】ラナ、中級神聖術【治癒】───会得しました
【聖女】ラナ、中級神聖術【解毒】───会得しました


 ノルンの声が途絶え、私とラナ姉さんを包んでいた光が消えて────ラナ姉さんの唖然とした表情が目に入る。

 少し視線をずらすと───やはり唖然とした表情のレド様とシェリアが目に映った。

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