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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十九章―誓いと祝福―#1
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分の布地を寄せてバックスカート風になっているのだが、寄せ方が巧みで、綺麗なドレープを描いている。
肩章はシンプルで、右肩の肩章に通して斜めにかけるサッシュと揃いになっていて───やはり、白地に銀糸でジャケットと同じ意匠の刺繍がなされている。腰に巻いた白いベルトも素材は違うが、同じ刺繍が施されていた。
それから、両の二の腕部分に、レド様の個章が刺繍されている。
どの刺繍も、手作業で刺したものとは思えないくらい細かい上に、一寸の乱れもなく揃っていて────本当に見事な出来映えだ。
「裏地として魔玄を縫い付けてあるから、ちょっと今は分厚く感じるかもしれないけど、【
最適化
(
オプティマイズ
)
】すれば大丈夫でしょ?」
「これ────刺繍するの…、凄く大変だったんじゃない…?」
おそらく、レド様のものにも同様の刺繍をしているはずだ。
「そうでもないかな。リゼが創ってくれた針のおかげで、魔玄も硬い鞣革も、すいすい縫えたからね」
魔玄は、その性質上、普通の鋏では切れないし、普通の針では縫えない。
サヴァルさんが抱えるアトリエや革製品の工房では、特注の
星銀
(
ステラ・シルバー
)
製の鋏と針を使っているのだが───私とラナ姉さんは予算の関係上、
星銀
(
ステラ・シルバー
)
製のナイフくらいしか用意できなかった。
仕方がないので、今までは────先に服を作り上げて、完成したものを染めていた。
素材を持ち帰るための麻袋の内側に“失敗作”を縫い付けたときは例外で、
星銀
(
ステラ・シルバー
)
製のナイフで裁断し、斑に染まっていたからこそ、血の薄い部分を縫い付けることができた。
だから───色々創れるようになって真っ先に、
聖銀
(
ミスリル
)
製の鋏と針を創って、ラナ姉さんに渡したのだ。
「本当は────凝ったスカートとか、刺繍を入れたロングブーツとか作りたかったけど…、何かあったときのために、いつもの魔玄のショートパンツとサイハイブーツに合わせたいって言ってたでしょ。その分、ジャケットにドレープをつけて、ちょっとだけ華やかにしてみたんだけど────どう…?」
ラナ姉さんの声音には、少し不安の色が混じっていた。
「想像してたより、ずっと素敵だよ」
ジャケットに使われている飾りボタンは、私が【創造】で創ったものだ。
星銀
(
ステラ・シルバー
)
製で、ファルリエムの貴族章である雪の結晶が彫り込まれている。
だけど、このボタンと魔玄を渡したとき────いや、元となる古着を選んだときですら────ここまで素敵なものを作ってもらえるとは思っていなかった。
「とても────気に入った。本当にありがとう、ラナ姉さん」
私のために、精魂込めて作ってくれたのだということが見て取
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