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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十八章―惑いの森―#4
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案内《ガイダンス》】。ね、謝るから、機嫌直して?」
「…名前、ちゃんとつけてください。【案内(ガイダンス)】じゃなくて、私だけの名前が欲しいです」

 【案内(ガイダンス)】は、レド様と私の魔力から生まれた精霊だ。
 レド様の方を見ると───レド様は口元を緩めた。

「リゼがつけてやってくれ」
「…いいんですか?」

 レド様が頷いてくれたので、私はこの子に似合う名前を考え始める。

 正直、精霊獣たちに命名して、出尽くした感があるけど────期待の眼で見られていて裏切れない…。

 何か、この子にぴったりの良い名前……。

 ふと───木の根に抱かれた聖結晶(アダマンタイト)が目に映った。
 聖結晶(アダマンタイト)からは、この子との繋がり────というより、同一の気配がしている。

「ねえ、もしかして、あの聖結晶(アダマンタイト)と融合したの?」
「ええ。融合というより、呑み込んでやりました!」
「そ、そう…」

 この子、アーシャと似たものを感じる…。

「それなら────ノルン、というのはどう?」
「…ノルン?ノルン───ノルン…」

 少女は、口の中で何度も呟く。

「どういう由来なんだ?」
「私の前世の世界の女神の名前なんです。その女神は、“ユグドラシル”───世界樹という、精霊樹のような大樹をその根元で護っているという伝説があって────精霊樹を護ることになったこの子にぴったりかな、と」

 レド様への説明を聴いていた少女が、鮮やかな笑みを浮かべる。

「女神の名前────ノルン。気に入りました。今この時から────私の名前は『ノルン』です」

 少女───ノルンがそう宣言して眼を閉じると、ノルンと聖結晶(アダマンタイト)から、柔らかい光が放たれた。光が収まった後に、眼を開けたノルンは嬉しそうに微笑む。

「さあ、【拠点(セーフティベース)】の登録を済ませましょう。ここのシステムの名義は、もう、(マスター)ルガレドと(マスター)リゼラに書き換えてありますので、今度はすんなりいくはずです。
それに、魔力についても任せてください。このシステムから、ちょろまかし───いえ、流用させてもらいますから。私がついているからには、(マスター)リゼラが倒れてしまうような事態にはさせませんよ」

 ノルンが、レド様と私の方を向いて、弾んだ声音で言う。

「さあ────(マスター)ルガレド、(マスター)リゼラ、命じてください」


◇◇◇


<<<ルガレド、リゼラ、その子は?>>>

 無事、拠点登録と【最適化(オプティマイズ)】を済ませた私たちが地上に戻ると、アルデルファルムがノルンを不思議そうに見る。

「初めまして、
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