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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十八章―惑いの森―#3
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。私は【身体強化(フィジカル・ブースト)】を発動させ、力任せに斬り抜いた。

 魔獣の頭が飛び────残された巨体が傾ぐ。

 あ───まずい。こんな巨体が倒れ込んだら、陥没が広がってしまうかもしれない。

 私は落下しながら、倒れつつある魔獣に【解体】を発動させ───解体されてバラバラになった魔獣を、【遠隔(リモート・)管理(コントロール)】でアイテムボックスへと送った。

 【身体強化(フィジカル・ブースト)】を発動させたままなので、難なく地面へと着地する。

 【把握(グラスプ)】のおかげで、レド様の動きが手に取るように判って巧く連携できた。これは共闘するのに最適かもしれない────そんなことを考えながら振り向くと───私と入れ違いざまに蜘蛛擬きの眉間を斬り裂いたレド様が、何故か悲し気な表情で私を見ていた。

「ええっと…、レド様?どうされたんですか?」
「俺が【解体】したかった…」

 あ───そうか。冒険者として討伐した場合、ギルドで解体してもらうから、こんな機会はないですもんね…。

 ……その蜘蛛だけでは駄目ですか?


◇◇◇


 地盤沈下によって出来た陥没は広い範囲に渡っていた。

 通路の精霊樹の根元に繋がる側が土砂で塞がれていたため、魔獣が“結界の間”へ侵入することはなかったのが幸いだ。

 通路は塞がっていたが、水路は塞がっておらず、魔素が大量に溶け込んだ水は止まることなく流れ出ている。

 水は、その先の水路が崩れているために、水路を外れて、外へと流れ落ちて───小川となり、森の中へと流れ込んでいる。

 水路自体がシングルベッドほどの幅があることもあって、流れ出る水は、かなりの量だ。

「これは────魔獣だらけになるわけだ…」

 レド様が、しみじみと呟いた。

 通路へと下り立ち、魔獣が入り込まないよう、【結界】を張る。

 塞がれていなかった通路の先を、魔獣が入り込んでいないか、レド様に【千里眼】で確認してもらう。

「魔獣は入り込んでいないようだ」
「そうですか。ありがとうございます、レド様。それでは、“結界の間”へと向かいましょうか」

 私が【転移(テレポーテーション)】を発動させようとすると、レド様に止められた。

「リゼ、俺にさせてくれないか」

 今まで、レド様は【転移(テレポーテーション)】を発動させられなかった。その原因は解明できていないが、私が差し上げた指環の効果により、発動できるようになったはずだった。

「解りました。それでは、レド様にお願いします。────ヴァイス、魔術で跳ぶから、傍を離れないでね」
「了解した」

 ヴァイスが、私の腕に頭を擦りつけるようにくっついてきたので、その
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