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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十八章―惑いの森―#3
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、ただレド様を少しでも危険な目に遭わせたくないという────私の我が儘だ。
でも、それは────レド様の自由を奪うということだ。
敵の軍勢が待ち受けているとか、罠が仕掛けられているとか───あからさまな危険以外は、止めるべきではないのかもしれない。
レド様が大事なら、行動を制限するのではなく────どんな状況でも護るよう努めるべきなのかもしれない────
「…解りました。それでは、レド様、一緒に行っていただけますか?」
私の言葉を聴いた瞬間、レド様は本当に嬉しそうに───顔を綻ばせた。
◇◇◇
レド様、私、ジグ、レナス───そしてヴァイスと森の中を歩いていく。
人も精霊獣も入らぬ森だ。当然、道らしい道はない。
私は先頭に立って、愛用の汎用大型ナイフで、行く先を遮る木の枝を
掃
(
はら
)
いながら進む。
時折、地響きがして足元が小さく揺れる。魔獣は理性を失っているので、どこかで、魔獣が暴れるか、殺し合いをしているのかもしれない。
しばらく進むと、唐突に木々が途切れた。不自然に倒れた木々が朽ちているところを見ると、かなり前に魔獣が暴れた跡のようだ。
足元の地面が緩やかな下り坂になって、その先の地面が陥没しているのが見えた。
すぐにそちらに向かいたいところだが───運の悪いことに、その手前に、魔獣が2頭立ちはだかっている。
2頭は、おそらく陥没した箇所から漏れ出た水路の水を飲みに来て、鉢合わせしたのだろう。
ただ、幸いなことに、鉢合わせしたばかりのようで、まだ暴れてはいない。陥没が進んで、崩壊が酷くなっては困る。
1頭は───変貌し過ぎていて判らないが、元々は二足歩行の魔物だと思われる。3m近い巨体で、両腕が異様に長く、両目が融合して一つ目のようになっていた。口がだらしなく開いていて、牙と舌が覗いている。
もう1頭は───こちらも変貌し過ぎていて、よく判らない。関節が2つある細長い脚を6本持ち、甲殻ではなく剛毛に覆われているところを見ると、蜘蛛系だと思うけど、まるでサソリの尻尾のようなものがついている。それに、やはり巨大化していて全長が3m近い。
【
心眼
(
インサイト・アイズ
)
】で確かめてみたが、どちらも大したことはなさそうだ。油断しなければ、レド様と私なら勝てるはずだ。
「リゼ、どちらをやる?」
「では、蜘蛛擬きの方で」
レド様があの二足歩行の魔獣、私が蜘蛛
擬
(
もど
)
き───相性的にはその方が良いだろう。
「ジグ、レナス、何かあったら援護を頼む」
「「御意」」
「ヴァイス、ジグとレナスをお願い」
「了解した」
私は、小太刀二刀を太刀に替えると、【
心眼
(
インサイト・アイズ
)
】を発動
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