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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十八章―惑いの森―#1
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《ステータス》】で確かめてみよう。



「精霊のことは理解した。それでは────あの刻印のことを聴かせてくれ。アルデルファルム、あれは何だ?誰に、どういった経緯でつけられた?」

 レド様が切り出す。

 確かに───それは気になるところだ。

<<<あれを刻んだ者が何者かは、私も知りません。私はガルファルリエムに貴方の───いえ、ガンドニエルムの世話を任され────傍に侍り、彼がこの世を去った後、眷属や精霊獣たちと隠棲していました。
そこに突如現れた者たちに、どうやってか身体の自由を奪われ、刻まれたのです。どうにか身体の自由を取り戻し、眷属たち、精霊獣たちと共に、その場でその者たちは撃退できましたが、刻印を消すことはできず────それから、しばらくはあの刻印により力を搾り取られていました。しかし、あるときを境に、ぱったりとそれが途絶えたのです>>>

 あれは、【心眼(インサイト・アイズ)】によれば────強制的に“聖女”に加護を与える【契約魔術(コントラクト)】だった。

 “聖女”────神の加護を受け、奇跡の御業(みわざ)である“神聖術”を行使できるという───伝説の存在。

 あれは、そうやって造られた存在だったということ?
 それとも────伝説の“聖女”を再現したかった?

「アルデルファルム、お前に加護を与えられた者は────魂魄の位階が上がるのか?」

 何か思い当たる節でもあるのか────レド様が、アルデルファルムに訊く。

<<<ええ。神ほどではありませんが、私は神に次ぐ位階の魂魄を持っておりますので>>>

「やはりか…」
「レド様?何か、心当たりでもあるのですか?」

「俺とリゼの【契約】────あれは、ただ主と守護者が誓いを立てるだけのものにしては、不自然だと思わないか?」
「…ええ、それは私も思います」

 支援システムだけでなく────ジグとレナスの件もあって、あの【契約】自体に違和感を感じてはいた。

「主と守護者を魔術で繋ぐのも目的の一つではあるかもしれないが…、あの【契約】の真の目的は、魂魄の位階を上げることではないか───と、俺は考えている」

 確かに、それならしっくりくる。

 魂魄の位階を上げれば────延命、魔力の増大、技能の昇華など、メリットは計り知れない。

 【配下(アンダラー)】との【契約】だってそうだ。

 あれは───あれの目的は、ジグとレナスのように───主と契約してその魔力により、配下の魂魄の位階を上げるためだとしたら────魂魄の位階が上がった存在を増やすことだとしたら────

「それなら…、アルデルファルムにあの刻印を刻んだのは────」

 アルデルファルムに刻まれていたのは────あれ
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