暁 〜小説投稿サイト〜
コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十七章―密やかに存在するもの―#7
[1/5]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

<<<神子姫…?>>>

 白狼の呼びかける声がしたが、構わず、アルデルファルムに歩み寄る。アルデルファルムは、近づく私に気づき、こちらに目を向ける。

<<<貴女は────神子…?>>>

 私は、再び【心眼(インサイト・アイズ)】を発動させてアルデルファルムを見上げながら、その光を撥ね返す純白の鱗に、そっと触れた。

 ああ、やっぱり────魔素に浸食されているけど、まだ魔獣化は始まっていない。

 これなら────私なら、助けられる。

「大丈夫ですよ、諦める必要はありません。せっかくまた逢えたのに…、諦めないでください」

 私がそう言うと、アルデルファルムが眼を見開いたように見えた。
 私は、アルデルファルムを安心させるように微笑む。

 さて────それでは、始めるとしよう。

 新たに授かった固有能力【浄化(ピュリフィケーション)】───この能力で、魂魄と肉体を侵食する過剰な魔素を取り除くことができるはずだ。

 問題は、使用する魔力量だ。

 このドラゴンは、“聖竜”で、精霊獣よりも魂魄の位階が高い。

 私の魔力量も増えたし、白炎様の浄化と転生を手伝ったときほど必要ないとはいえ、大量に消費することには違いない。

 共有魔力とレド様の魔力を使わせていただくことはできるけど、それは最終手段だ。

 白炎様のときは皆に───レド様に物凄く心配をかけてしまった。
 今度は心配をかけないように────出来れば、私の固有魔力だけで終わらせたい。

 私は、まず───【認識章(コード・クレスト)】から、聖結晶(アダマンタイト)のイヤーカフを取り寄せ、身に着ける。

 これは、周囲の魔素を取り込み、魔力に変換してくれるので───着けている限り、魔力量が増える上、魔力の回復速度が上がる。

 この環境なら、その効力を遺憾なく発揮してくれるだろう。

 それから───【心眼(インサイト・アイズ)】で状態を視認しながら、【浄化(ピュリフィケーション)】を、全体ではなく、魔素に浸食されている部分にだけかければ、使う魔力量も軽減できるだろう。

 ただ、この純白の鱗───魔力を通し(にく)そうだ。この鱗に阻まれたら、魔力軽減どころか───大量に消費することになりかねない。

 何かいい方法はないかと────これまで覚えた能力、魔術を思い出して、思考を廻らせ────不意に閃く。

 私は【心眼(インサイト・アイズ)】でアルデルファルムの体内を見据えたまま、口を開いた。

「【案内(ガイダンス)】、新規の【立体図(ステレオグラム)】を作製開始」

了解───新規の【立体図(ステレオグラム)】を作製開始します───完了

「作製した【|立体図《
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ