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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十七章―密やかに存在するもの―#5
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と。
<<<我らが長は、魔獣化の危機に瀕している。それを防ぐために───神竜の御子、神子姫───どちらでもよい、我らが長を、どちらかの使い魔にしていただきたいのだ>>>
「…精霊獣も魔獣化をするのか?それに───使い魔となることで、魔獣化を防げる、と?」
それについてもネロに聞いたことがあったが、白狼に話してもらった方がいいだろうと、私は口を噤む。
<<<聖獣も精霊獣も魔物も、本質は変わらぬ。ただ、器の大きさが違うだけなのだ。取り込む魔素が器を超えれば、魔獣化をするのは皆同じだ。それは、魔力を体内に持つ存在の宿命と言っていい。だが────何故か、人間だけは違う。魔獣化することはない>>>
確かに、そこが不思議な点だ。植物ですら、魔素を過剰に摂取すると、黒ずんで壊死してしまうのに。
私が筆記具として利用している“墨果”────あれだって、そういう種なのでなく、果実が魔素に侵されることによって出来るらしい。
<<<何故なのかは解らぬが、人間と繋がることによって───人間の魔力を取り込むことによって、魔素に侵されることを防げるようなのだ。だから、頼む。どうか、我らが長を救ってはくれまいか>>>
白狼の懇願に、レド様は溜息を吐いた。
「せっかくの休息だったのに────すまない、リゼ」
「レド様が謝ることではありませんよ」
私が笑って首を横に振ると、レド様は口元を緩めたが────すぐに表情を引き締め、再び白狼に向き直った。
「使い魔にするかどうかはともかく、お前たちの長というのに会ってみよう。案内してくれ」
白狼は、レド様の言葉に首肯するように───感謝を示すように、また首を垂れた。
「…さすが、リゼラ様だ」
「やっぱり、引き寄せたな」
うるさいですよ、ジグ、レナス。
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