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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十七章―密やかに存在するもの―#4
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けたら、喜んでいただけるのでは?」
「だが───そんな暇はないと、また断られるのではないか?」
寿命は延びたが────現状は変わっていない。
昨日の鍛練の場で、リゼラに言われたあの言葉は、浮かれていたルガレドたちの目を覚まさせるものだった。
ラムルでさえも、ルガレドの寿命が延びたことで、状況が良くなったように錯覚してしまっていた。
リゼラだけが────冷静に現状を見据えていた。
「リゼラ様の仰ることは尤もです。あと2ヵ月弱、やれることはやっておかねばならないと私も思います。ですが───だからといって、まったく休息をとらないわけにはまいりません。それに、これからもっと忙しくなると思われますし────今のうちに休息をとることは、私は賛成です」
「そうだな…、その通りだ。しかし───リゼにどうやって休息をとらせるか…」
「旦那様、私にお任せくださいませんか?」
「ラムルに?」
「要は────リゼラ様に皆で出かけるのを承諾してもらえれば良いわけでしょう。リゼラ様が出かけざるを得ないように、話を持ち掛ければいいのです」
※※※
「おはようございます、リゼラ様」
翌朝───早速、ラムルはリゼラに話をするべく、邸の厨房へと赴いた。
最近は、お弁当とお弁当がない日の朝食はリゼラが作り、それ以外の食事はすべてカデアが作っている。
リゼラは、今日も冒険者として活動するつもりのようなので、自分とジグとレナスの三人分のお弁当を作っているのだ。
レナスはルガレドの護衛としてつく予定だが、ルガレドはロウェルダ公爵邸で食べさせてもらうことになっているので、レナスには昼食を持たせなければならない。
ちなみに、アーシャは、ロウェルダ公爵邸で侍女修行なので、昼食は公爵邸の使用人と摂らせてもらい───ラムルとカデアは孤児院で、子供たちに指導をするので、子供たちと一緒に昼食を作って食べる。
「おはようございます、ラムル」
振り向いたリゼラは、小さな笑みを浮かべて挨拶を返してくれた。
「お忙しいところを申し訳ございません。ちょっとご相談したいことがございまして…」
ラムルがそう切り出すと、リゼラは表情を引き締める。
「何でしょう?」
「旦那様のことなのですが───ご相談というより、お願いですね」
「レド様のこと、ですか…?」
「ええ。どうも最近、旦那様はお疲れ気味のようでして────私もカデアも心配なのです」
「確かに、最近疲れていらっしゃる感じですよね…」
ラムルの口から出まかせだったが、リゼラは何か思い当たる節でもあるのか、顔を曇らせる。おそらく、ロルスの授業で気疲れしているところでも思い浮かべているのだろう。
ラムルは自分で言
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