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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十七章―密やかに存在するもの―#4
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で浮かれておる。さっさとしないと、我が神子が戻ってくるぞ>
白炎に頭を羽根で
叩
(
はた
)
かれ────ルガレドは我に返った。
「ああ、そうだった。────すまない、皆に相談に乗って欲しいことがあるんだ」
ルガレドは、いつの間にか目の前に集まっていた───ジグ、ラムル、カデア、アーシャに向かって口を開いた。
「俺は───リゼの献身に対して、何かお礼をしたいと思っている。だが…、何がいいか判らなくてな」
「リゼラ様にお礼ですか…。確かに────お礼したいですね。この時計をいただいたとき、年甲斐もなくはしゃいでしまって、ろくにお礼を言うこともできませんでしたから」
「そういえば…、ラムルもカデアも珍しくはしゃいでいたな」
「旦那様…、魔道具は男のロマンですよ。はしゃいでしまうのは当然なのです」
ラムルが至極───真面目な表情で言う。
カデアも、負けじと言い募る。
「だって、嬉しいではないですか。以前から、時計が欲しいと思っていたんですよ。それが───こんな、綺麗で…、すごいものを創ってくださって───しかも、これは、リゼラ様が私のために創ってくださったんですから」
「そうだな…。俺も────リゼが自分のために創ってくれたということが嬉しい」
カデアがリゼラの意を汲んで喜んでいることが嬉しくて────ルガレドは笑みを浮かべた。
「それで────お礼は何がいいと思う?」
「…難しいですね。今のリゼラ様は、ご自分で何でも創れますし───物欲もなさそうですよね」
ジグは真剣に考えているらしく、口元に手を遣り、眉を寄せた。
「そうなんだよな…。ドレスも装身具も、母上のものだけで十分だと言われてしまったし────他に思いつかないんだ」
「アーシャ、リゼラ様が喜ぶもの────あなたは何か思いつかない?」
カデアが、リゼラと近しい存在のアーシャに話を振るが、アーシャは首を横に振る。
「わたしたちも、前にリゼ姉さんに何かお礼をしようとしたんですけど、やっぱり思いつかなくて…」
ジグが、何かを思いついたらしく────顔を上げた。
「そうだ────皆で出かけるというのは?」
ジグに、皆の視線が集まる。
「ほら…、初めて邸を案内したとき、リゼラ様が仰っていたではないですか。“お気に入りの森”があると────ルガレド様に『いつか一緒に行こう』と」
邸の───森の小道を模した廊下を歩いていたとき、森の中には行ったことがないと言ったルガレドに、リゼラは確かにそう言ってくれた。
その森の奥に水底まで見えるような澄んだ湖があるのだと────そう話してくれた。
「総出でこの孤児院に赴いたとき、リゼラ様はとても楽しそうでした。皆でお気に入りの場所に出か
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