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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十七章―密やかに存在するもの―#3
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【魔力操作】、それに【祓の舞】以外の私の【技能】が、レド様の【技能】欄に追記されている。
「良かった…、成功したみたいですね。後で色々、験してみましょう」
「ああ。ありがとう…、リゼ。────だが…、本当に良かったのか…?これらは、リゼが努力して身に着けたものだろう…?」
眉を下げ、少し不安気に訊くレド様に、私は笑みを向けた。
「だからこそ───ですよ。私が自分で培ったものだからこそ────レド様に、こうやって差し上げられるんです。レド様の役に立てて欲しいんです」
「リゼ…」
「それに───レド様だからこそ、自分の培ったものを差し上げたいんです。努力したくないとか、楽して覚えたいとか、そういうことを考えるような人だったら、こんなことしません」
本当は、いざという時のためには、レド様がご自分で身に付ける方がいいとは思う。でも───今のレド様には時間が足りない。
「だから────遠慮せずに、役立ててください」
「…ありがとう───リゼ」
レド様が、嬉しそうに────幸せそうに笑ってくださったので、私も改めて微笑んだ。
「俺にも、リゼに与えられるような───リゼの役に立つような【技能】があれば良かったんだが…」
「ふふ、そのお気持ちだけで充分ですよ」
レド様は、諦めきれないような表情で、しばらくの間、自分の【
現況確認
(
ステータス
)
】を眺めていたが、不意に声を上げた。
「…リゼ、この指環は────【技能】を共有するだけのものだよな?」
「そうですが…」
「何故か…、【特殊能力】に───【
盾
(
シールド
)
】、【
防御
(
ガード
)
】、【
防御壁
(
バリケード
)
】が追記されているんだが…。それに、エルフの固定魔法に───神聖術まで、使えるようになっている」
「え、ええっ、本当ですか…!?」
慌てて確認すると、確かに記載されている。
「そもそも、この指環には、どういう仕組みが施されているんだ?」
「【
同
(
シンクロナ
)
期
(
イゼーション
)
】という特殊能力がありますよね?」
これは個別のものを一つにしたり、連動させたりできるという、結構便利な特殊能力で───私はジャケットやコートのポケットに施している。
複数のジャケットやコートの───【
最適化
(
オプティマイズ
)
】によって異次元仕様になったポケット内空間を、この能力によって同じ空間にしてあるのだ。
だから、懐中時計やマジックバッグを、着替えるたびに移し替える必要がない。勿論、レド様のものにも施してある。
それだけでなく、複製して皆に渡してある地図や図鑑にも施してあり、誰かが新しい情報を書き加えれば、自動的に原本や複製にも書き加えられ───訂正したら、自動的に全部書き換えられるようになっている。
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