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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十七章―密やかに存在するもの―#3
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嬉しそうに────目元を染めて微笑んだ。
「着けてみてもいいか?」
「勿論です。────左手を出していただけますか?」
レド様は、何の躊躇いもなく────私に自分の左手を差し出す。
私はレド様のために創った指環を取り出して、レド様の薬指へと指環を嵌めた。
指環は、レド様の細く長い指には、前世の結婚指輪のように細いものよりも、幅広のものの方が似合いそうだったので、幅広で薄い指環にした。
魔導機構を仕込むと太くゴツくなってしまうので、指環自体を魔導機構にするために、素材は
聖銀
(
ミスリル
)
にした。
装飾はシンプルに───宝石を使わずに、透かし模様を施すだけに留めている。
「この指に着けるのは、何か意味があるのか?」
「はい。前世の世界には、左手の薬指が心臓───心に直結しているという迷信があったんです。私が生きた時代では、もう信じられていなかったけれど、心に直結する左手の薬指に結婚した証である指輪を嵌めることが、習慣として残っていたんです」
「へえ、面白いな。心に直結する指か…。────俺も、リゼの指に指輪を嵌めても?」
「…はい」
私が頷くと、レド様はケースに残っていた指環を取り出して、同じように私の左手の薬指に────そっと嵌め込む。
前世の私は未婚のまま亡くなったので、結婚式でどんなことをするのか知らないけれど、指環を嵌め合うことだけは知っていたので────何だか、二人きりで結婚式を挙げているようで────胸と頬が熱くなった。
「起動させる前に、ちょっと緩めに創ってあるので【
最適化
(
オプティマイズ
)
】しましょうか」
「それなら────あのときと同じように、一緒にやろうか」
レド様が楽しそうに言う。【
永遠の約束
(
エターナル・リンク
)
】のときのことを言っているのだろう。勿論────私は口元を緩めて頷いた。
レド様と、あのときのように────両手を繋ぎ、額を寄せる。
「「【
最適化
(
オプティマイズ
)
】」」
魔術式が足元に広がり、光が迸る。緩めだった指環が指に吸い付くように縮まった。
「それでは…、指環を起動させますね」
「ああ」
私は、お互いの指環が触れ合うように、レド様の左手に自分の左手を重ねる。指環に向けて魔力を流すと、二つの指環に細い光の線が錯綜する。
光の線は、やがて眩い光となって、私たちを包んでから消える。
「ええと…、これで起動できたはずです。【
現況確認
(
ステータス
)
】を確認してみましょうか」
「そうだな」
レド様が、自分の【
現況確認
(
ステータス
)
】を投影して、私の肩を抱き寄せた。私たちは身を寄せ合って、レド様の【
現況確認
(
ステータス
)
】に視線を遣った。
すでに覚えている【馬術】と
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