暁 〜小説投稿サイト〜
コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十七章―密やかに存在するもの―#1
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
、魔術が発動するのと同じです。あの双剣は、登録者───アーシャが『ジャンナ』と唱えることにより、アーシャの手元に転移するように施されているだけなんです。
でも、アーシャには、剣に名前を付けて呼べば来ると言った方が、解りやすいかなと思いまして」
「なるほど…。だが、どうやって、離れた所にある剣に声が届くんだ?」
「魔剣の場合と同じで────剣に仕込んだ魔導機構を、アーシャの【主従の証】に繋げてあるんです。アーシャが剣の名を呼べば、【主従の証】がアーシャの声を拾い、剣に届きます」

「…リゼの発想には、本当に感心する」

 レド様の私に対する贔屓目が、相変わらず酷い…。

 いや、本当に“名前を呼べば剣が来る”のなら凄いかもしれないけど、実際は【遠隔(リモート・)管理(コントロール)】の劣化版みたいなものですからね?

「しかし───アーシャは、武具の名称を数字にしているようなのだが…」

 うん、今、アーシャは、ナイフに『あなたの名前は“3”!』と言いましたね…。まあ、本人が判れば良いので…。

 アーシャはすべての武具に名付け終えたようだ。

「それじゃ、今度は剣の使い方について説明するね。ええと───今度はこのナイフで…」
「それは“2”だよ」
「……“2”で説明するね。ほら、これ、刃の部分が丸っこくなってて、切れないでしょう?」
「本当だ」

「アーシャ、ナイ───“2”を構えてみて」
「うん」

 アーシャがナイフを私から受け取って、逆手に構える。すると、アーシャの魔力がナイフへと流れ、刃部分のが変化した。

「…鋭くなった?」
「うん。構えると、刃が鋭くなるようになってるの」

 これならば、鞘はいらない。

 双剣は、腰に提げている状態ならともかく、取り寄せて両手に持っている状態で鞘を払うのは手数だ。

 私ならば、【遠隔(リモート・)管理(コントロール)】で中身だけ取り寄せることができるけど、アーシャはそうはいかないので、こういう仕組みにしてみた。

「戦闘が終わったら、『解除』と言えば、元に戻るから。しまう前に戻すのを忘れないようにね」
「うん!」

 アーシャはナイフの刃を解除して、剣を自分の【異次元収納袋】へと投げ入───しまう。

「ラムル、カデア───アーシャの剣の習練をお願いしてもいいですか?」
「はい、お任せください」

 いつものように、ラムルが応え、カデアが頷く。

 双剣の習練は私が行うつもりだけど─────暗器の扱いと、対人戦については、この二人に任せる方がいい。

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ