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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十七章―密やかに存在するもの―#1
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、魔術が発動するのと同じです。あの双剣は、登録者───アーシャが『ジャンナ』と唱えることにより、アーシャの手元に転移するように施されているだけなんです。
でも、アーシャには、剣に名前を付けて呼べば来ると言った方が、解りやすいかなと思いまして」
「なるほど…。だが、どうやって、離れた所にある剣に声が届くんだ?」
「魔剣の場合と同じで────剣に仕込んだ魔導機構を、アーシャの【主従の証】に繋げてあるんです。アーシャが剣の名を呼べば、【主従の証】がアーシャの声を拾い、剣に届きます」
「…リゼの発想には、本当に感心する」
レド様の私に対する贔屓目が、相変わらず酷い…。
いや、本当に“名前を呼べば剣が来る”のなら凄いかもしれないけど、実際は【
遠隔
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】の劣化版みたいなものですからね?
「しかし───アーシャは、武具の名称を数字にしているようなのだが…」
うん、今、アーシャは、ナイフに『あなたの名前は“3”!』と言いましたね…。まあ、本人が判れば良いので…。
アーシャはすべての武具に名付け終えたようだ。
「それじゃ、今度は剣の使い方について説明するね。ええと───今度はこのナイフで…」
「それは“2”だよ」
「……“2”で説明するね。ほら、これ、刃の部分が丸っこくなってて、切れないでしょう?」
「本当だ」
「アーシャ、ナイ───“2”を構えてみて」
「うん」
アーシャがナイフを私から受け取って、逆手に構える。すると、アーシャの魔力がナイフへと流れ、刃部分のが変化した。
「…鋭くなった?」
「うん。構えると、刃が鋭くなるようになってるの」
これならば、鞘はいらない。
双剣は、腰に提げている状態ならともかく、取り寄せて両手に持っている状態で鞘を払うのは手数だ。
私ならば、【
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】で中身だけ取り寄せることができるけど、アーシャはそうはいかないので、こういう仕組みにしてみた。
「戦闘が終わったら、『解除』と言えば、元に戻るから。しまう前に戻すのを忘れないようにね」
「うん!」
アーシャはナイフの刃を解除して、剣を自分の【異次元収納袋】へと投げ入───しまう。
「ラムル、カデア───アーシャの剣の習練をお願いしてもいいですか?」
「はい、お任せください」
いつものように、ラムルが応え、カデアが頷く。
双剣の習練は私が行うつもりだけど─────暗器の扱いと、対人戦については、この二人に任せる方がいい。
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