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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十六章―真実の断片―#2
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何もないなんて、おかしいですね…」

 いや、そんな頻繁に何か起こるわけないじゃないですか。



「あ───そうだ。この里を出る前に、里に施されている【結界】を視てみてもいいですか?」

 ついでに【解析(アナライズ)】してみよう。【創造】で何か創る際の“知識”にできるかもしれないし。

 ジグとレナスが頷いてくれたので、早速、【(アストラル)(・ヴィジョン)】を発動させて、【結界】の根源を探る。

「わあ…」

 【(アストラル)(・ヴィジョン)】で周囲を見て────その光景に私は思わず、感嘆の声を上げてしまった。

 この隠れ里は円形を成しているのだけど、その敷地目一杯に────ドーム状に、魔力の網が鳥籠のように張られている。

 魔力の網は、そこかしこが星が瞬くように煌いて、まるで聖結晶(アダマンタイト)でできたドームに入り込んでしまったように錯覚させた。

 魔術式は見当たらない。

 まあ、魔術ではなく、“固定魔法”だものね。どうやっているのか、魔力を固定化して、張り巡らせているらしい。どういう原理なんだろう?

 そして────考えに没頭していた私は、うっかり【(アストラル)(・ヴィジョン)】を発動させたまま、【解析(アナライズ)】をかけてしまったのだ。


(アストラル)(・ヴィジョン)】と【解析(アナライズ)】の合成を認識───【進化(アドバンス)】が発動します…


「え?」

 無機質なアナウンスの後に、魔術式が現れる。魔術式から迸る光に包まれて、思ったことは─────あれ、何か始まってしまった?


───完了
(アストラル)(・ヴィジョン)】が【心眼(インサイト・アイズ)】に進化しました───
心眼(インサイト・アイズ)】を発動します────
【結界】の分析を開始します───完了
固定魔法【結界】───会得しました


「………………」

 何か───エルフ独自の【固定魔法】とやらを、会得してしまったみたいなんだけど…。

「やっぱり、何も起きないわけがなかったな」
「さすが、リゼラ様だ」

 後ろで、レナスとジグが何やら話している。ジグ、『さすが』ってどういう意味?


◇◇◇


 ジグとレナスの対魔物・対魔獣の戦闘訓練を終えて、孤児院経由でお邸に戻ると、レド様たちは先に戻っているようだった。

 夕飯までは、まだ時間がある。ジグとレナスと別れて───といっても、引き続き陰で護衛してくれているのだろうけど───【換装(エクスチェンジ)】でビスチェアーマーを、シャツとジャケットに替え、レド様を探す。

 【把握(グラスプ)】で確認すると、レド様はヌック
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