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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十六章―真実の断片―#1
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か────
 一体…、あの時代に────何があったのだろう?

「リゼラ様?」
「どうされました?」

 ジグとレナスは、私が絶句した理由に思い当たらないらしく───ただ首を傾げている。

 ジグもレナスも敏い方なのに何故だろうと考えて───私は、はっとした。

 そうか────この二人は、私たちの…、“古代魔術帝国に関する疑念”を聴いていないんだ。

 聴けるはずがない。あれは────地下調練場だった。【転移門(ゲート)】で移動したのだから、あの時点では、この二人がついてこられるはずがない。

 これは、盲点だった。ジグとレナスなら、聴いていただろうから話すまでもないと思い込んでいた。

 当然、二人からラムルとカデアにも伝わっていると思っていたのだ。

 帰ったら、レド様に進言して────皆で、この情報を共有した方がいいかもしれない。


◇◇◇


「どの家にしますか?」
「そうですね…」

 森エルフの家の様式は、三角屋根のシンプルな造りで────前世の“中央ヨーロッパの標高の高い地域に建てられた山小屋”みたいな感じだ。

 バリエーションとしては、二階建てのもの、平屋のもの、単身者用らしき小屋程度のもの────と幾つかある。

 野宿しなければならないような場合に使いたいので、なるべく大きくない方がいい。建物が大きいと、狭いスペースでは取り出せない。

 でも、レド様に使っていただくことを考えると、小さすぎるのも困る。

 一緒にいるメンバーにもよるしな…。

 ジグとレナスだけなら、天井に隠し部屋をつければ大丈夫だけど────ラムルやカデア、アーシャが一緒なら、二階建ての方がいいよね…。

「…………」

 あれ?別に一つに絞らなくて良くない?

 拠点として登録できる数には制限はないようだし、私たちのアイテムボックスは無限で何戸でも入るはずだから────いくつか所持して、状況に応じて使い分ければいいんじゃない?

 うん────そうしよう。

「あの二階建てと…、あっちとそこの平屋二つ────それに、あの小屋三つにします」

 まずは、この里の中でも一際大きい二階建てから。まあ、大きいと言っても、皇都にある冒険者ギルドよりも小さいんだけど。

 私は、その二階建ての家を見上げた。その家は、丸太で組まれた長方形のテラスの上に、二階建ての家が建っている。

 【解析(アナライズ)】の情報が確かなら、この家の持ち主はもう亡くなっているだろうが、何となく『大事に使わせていただきます』と心の中で断ってから、梯子のような低い階段を上って、テラスへと乗り上げた。

「【案内(ガイダンス)】、この建物をテラスごと【拠点(セーフティベース)】に登
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