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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十六章―真実の断片―#1
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 あれ、もしかして────笑うのを堪えてたりする?
 はしゃぎ過ぎたかな…。

 ちょっと恥ずかしく思っていると────ジグに話しかけられて、そちらに意識が向いた。

「大丈夫ですよ、リゼラ様。ルガレド様には、我々が詳細を語って差し上げますから。……まあ、先程の様子を話したら、悔しがること間違いないでしょうけど」
「え?」
「いえ、何でもありません。それより、また時間がなくなってしまいますよ」
「あ、そうですね。調べ始めましょう」

 この山に入ったのは、依頼された希少な植物を探してのことだった。そのとき、この打ち捨てられたらしい“隠れ里”を見つけた。

 山を切り崩して造成された平地に、丸太を組んで造られたログハウスが点在している。平地を囲う塀も、丸太を並べ立てたものだ。

 大きさとしては、レド様と二人で潰したオーガの集落ほどある。

 家や塀が丸太で造られている点も同じだが、オークやオーガが造るものとは比べ物にならない、精巧な造りになっている。

 里を囲う塀も、どの家も────見た限りでは、建てられてそんなに時間が経っていないように見えた。

 周囲を森と霧が取り巻き、魔物や魔獣が徘徊していることもあり、この“隠れ里”を見つけるのは至難の業のはずだ。

「しかし───よく魔物に利用されたり、魔獣に潰されたりしませんでしたね、ここ」
「それなんですよね。どうも“防壁”のようなものが張られているみたいなんです。それに、ここに建つ家すべてに、経年劣化を抑えるような仕掛けが施されているのではないかと思うんです」

 私の言葉に、レナスが首を傾げる。

「捨てられてそんなに経っていないのではなく────ですか?」
「そもそも、この里は捨てられたのですか?」

 ジグも、懐疑的というよりは────不思議そうに訊く。

「家の中を見てもらえば、判ると思います」

 私は、一番手近なログハウスの扉を開き───ジグとレナスに中を見るように促す。

「家具も何もない…」
「どの家もこんな状態です。本当に荷物一つ残っていないんです。でも、家具が置いてあった跡がうっすらと残っている箇所があって────誰かがここに住んでいたのは、確かだと思うんです」
「なるほど。それなら、自分たちの意思で出て行った可能性が高いですね」

 家具や荷物が残っていて、誰もいない状態だったら────きっと“ホラー映画”や“ホラーゲーム”のシチュエーションみたいで、ワクワクするよりも恐怖を感じていたような気がする。…あれ、それはそれで面白そう?

「捨てられて時間が経っていると考えているのは、何故ですか?」
「この里の周囲の道が消えてしまっているからです」
「ですが、“隠れ里”なら、巧妙に隠しているのでは?
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