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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十五章―それぞれの思惑―#4
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並ぶ17の部屋のみだ。

 確認してみると、そのうちの二つ、塔側と逆側それぞれ一番端の部屋は、トイレになっていた。それ以外は、すべて同じ規格の個室だった。

 扉から向かって、セミダブルのベッドが左壁に沿って置かれ、正面の壁にカウンターデスクとチェアが置かれている。右の壁には、木製のフックが造り付けられていた。

 何だか、前世の“ビジネスホテル”みたいだ。泊まったことはないけど、映像で見たことはある。

 ここは、非常時に使うだけだから、【最適化(オプティマイズ)】で【最新化(アップデート)】もされていることだし、別に改造することもないかな。

「ジグ、ここにも隠し部屋を造っておいた方がいいですか?」
「出来るのでしたら、お願いします」
「解りました。壁よりも天井の方がいいですか?」
「そうですね。天井でお願いします」
「2階はどうしますか?」
「念のため、お願いします」

 【神子の座】の結界?って、天井まで及んでいるのだろうか。及んでいたら、隠し部屋を造っても意味ない気がする。

 まあ、でも、造るだけ造っておこう。といっても、【現況確認(ステータス)】を開いて、設置場所を指定して、拡張してもらうだけなんだけど。


───我が神子よ、終わったのか?───
───終わったのなら、我に構ってくれ───


 北棟に戻ってから、また私の後頭部に張り付いていた白炎様が、甘えるように私の頭を広げた羽根で抱え込む。

 幼子のような白炎様に、私は口元を緩める。

「…深淵には戻られないのですか?」

 見かねたのか、ジグが冷たい声で、白炎様に訊く。


───何だ、小童───
───我がいつ深淵に戻ろうが自由だろう───
───我と我が神子の貴重な逢瀬を邪魔をするな───


 何かまた始まってしまった…。

「それでは、私は昼食の支度をしてまいりますね」

 カデアが、にっこり笑って言う。私が頷く前に、カデアはそそくさと厨房へと入ってしまった。ずるい…。

「このようなところで、何をなさっているのですか?」

 聞き慣れた声に顔を上げると、ラムルが立っていた。白炎様とジグの会話も止まり、ほっとする。

「ジグ────リゼラ様を困らせるな」
「は。申し訳ありません」

 ラムルの厳しい声音に、私はちょっと意外に思う。

 レド様に対して、ジグとレナスが軽口を叩いたりしても、今まで咎めたりしなかったのに。まあ、あれはレド様が楽しそうだからかな。

「カデアは昼食の準備をしているようですね。リゼラ様を、このまま立たせておくわけにはまいりません。何処かへ移動しましょう」
「それなら、2階の書庫へ行きましょうか」

 先程、覗いた限りでは、大き目
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