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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十五章―それぞれの思惑―#3
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ど、実際の使用感を聴いてみてから、サヴァルさんに相談して、薬師にでもレシピを持ち込もうかなと考えている。

「それに、それに、洗い場もすごくいい!」

 北棟の両隣に一つずつ、平屋造りの洗い場を新設した。

 私のイメージとしては前世で泊まった旅館の“共同浴場”で、入って手前に脱衣場を設え、左側の壁に着替えやタオルを入れておく棚を造り付けて、右側にカウンター台と鏡を取り付けた。

 その奥に、全面石造りの洗い場と湯舟を設えた。

 湯舟は、皆で入れるように洗い場と同じだけ広さをとってある。蛇口は念のため一つだけ端につけてあるが、湯舟の底に魔道具を装った魔導機構を仕込み、常にお湯が張られていて───温度管理だけでなく、常に清浄を保つようになっており、基本、桶で湯舟からお湯を汲んで、身体や頭を洗う。

 そして、ここは洗濯場も兼ねている。勿論、換気や排水もちゃんと施した────古代魔術帝国の技術で。

「男と女でちゃんと分かれているから安心だし、お湯が使えるのも嬉しいよ」

 今までは、敷地内にある井戸の冷たい水で、服も身体も洗っていた。

 夏場はいいけど、冬場は寒くて風邪ひく子が多かったし────男女で使う順番で揉めたり、近所からも丸見えで問題しかなかったので、洗い場は絶対造ってあげたかったのだ。

「喜んでもらえて良かった」
「みんなも喜んでるよ。本当にありがとう、リゼ姉さん」 

 ミナが本当に嬉しそうに満面の笑顔でそう言ってくれて、私も嬉しくなって笑みを零した。

 笑うミナが可愛くて、衝動のままミナの頭を撫でていると────厨房を挟んだ反対側に新たに設えた扉が開いて、男の子が二人入って来た。

「あっ、リゼ姉!」
「えっ、あっ、リゼ姉ちゃん!」

 アーシャと同じ年頃で、すでに冒険者として仕事をしている───ラギとヴィドだ。

「何だよ、ミナ。リゼ姉が来てるんなら呼べよ!」
「そうだよ、何で呼ばないんだよ」

 二人に責められ、ミナは目を潤ませて、私の後ろに隠れる。

「ラギ、ヴィド、私は今来たばかりだよ。────それよりも、農場への付き添い、ありがとう、二人とも。出迎えられなくてごめんね」
「リゼ姉、倒れたんだろ?こんなところに来て平気なのかよ?」
「そうだよ。寝てなくていいの?」
「ちょっと張り切り過ぎて疲れちゃっただけだから、大丈夫。二人は、今日は仕事お休みなの?」
「ああ。昨日の仕事で、仲間がケガしちゃってさ。そいつが動けるようになるまで休み」

 ラギが溜息を吐く。

「ケガ?────魔獣?」

 ラギとヴィドは、同じパーティーに所属している。それなりに実力のあるパーティーで────確かCランクだったはずだ。

「ちがう、魔物。魔物の集落潰しに
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