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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十五章―それぞれの思惑―#2
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はなく、母親だったか。望むなら、コカトリスを連れて来てやるぞ?」

 何だか…、レド様が子供のようになっているのは気のせい?

 新鮮だし、可愛いは可愛いけど────これでは、まるで“男子小学生”同士の口喧嘩のようだ…。

 お願いだから、隣と頭上で喧嘩をするのは止めてください、お二人とも…。

 ジグとレナスが、今回はレド様に同調することなく、ただお茶を飲んでいるのが救いだ。

「リゼラ様、そのお二人のことは放っておいてよろしいかと存じます」
「ええ、そうですとも。まったく、坊ちゃまも大人げない。それよりも、リゼラ様、お茶のおかわりなどいかがですか?」

 私はラムルに頷き、カデアに愛用のマグカップを差し出した。

「おかわりをお願いします、カデア」
「あ、それなら、わたしが淹れます!」

 アーシャが立ち上がる。

「アーシャ、リゼラ様に飲んでいただくには、まだ練習が必要です。貴女がリゼラ様のために淹れて差し上げたい気持ちは解りますが────リゼラ様には美味しいお茶を飲んでもらいたいでしょう?今日のところは私が淹れますから、我慢なさい」
「……はい」

 カデアに諭されて、アーシャが悄然とした様子で座り直す。アーシャには悪いけど、しょんぼりしているアーシャが可愛くて、私は口元を緩めた。

 向かい側────カデアの隣に座るアーシャに、声をかける。

「アーシャ───貴女が淹れてくれたお茶を飲めるのを、楽しみにしてるから。今日は、カデアが淹れてくれたお茶を一緒に飲もう。ね?」
「…、うん!」

 アーシャは、やっぱり笑顔の方がずっと可愛い。

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