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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十四章―再生と創造―#6
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アは、第二皇子ルガレドの執事────ラムルと名乗った男から、一連の事情を聞かされて、溜息ともつかぬ息を吐いた。
ラドアは、つい先程、子供たちとこの孤児院に帰って来たばかりだった。
幼い子供たちにとっては、皇都近郊の農場へ皆で遠出するというだけでも興奮する出来事だったのに────建物が改修されて綺麗になっていることに、もう大はしゃぎだ。
最近は大人びて落ち着いた態度を見せていた、年長の子供たちでさえ、歓声を上げているのが、この執務室まで聞こえる。
「本当に…、あの子は────どういう星の下に生まれてきたのか……」
ラドアは、思わず呟く。
「それで、あの子は?」
「旦那様が、お邸へと連れ帰りました」
「身体の方は大丈夫なのですか?」
「魔力を使い過ぎたとのことで────お命に別状はございません」
「そうですか。それで、その神というのは?」
「それが、リゼラ様を追って────お邸へとついて行ってしまったようでして」
「まあ…」
別段、その神がいなくなったからといって、孤児院としては支障はないが────生まれたばかりとはいえ、
神
(
・
)
に
(
・
)
懐
(
・
)
か
(
・
)
れ
(
・
)
て
(
・
)
い
(
・
)
る
(
・
)
などと知れたら、ルガレド皇子はまた目を付けられることになりはしないだろうか。
「大丈夫なのですか?」
「隠し通すしかないでしょうね。ですが…、旦那様にもリゼラ様にも────指一本触れさせるつもりはございませんので、どうかご安心を」
明確な敵でも頭に浮かべているのか────ラムルの柔和な雰囲気が、一瞬にして凍てつくものに替わる。
ラムルは、ルガレドだけでなく、リゼラにも忠誠を誓っているのだと見て取れて────ラドアは安堵した。
◇◇◇
リゼラに代わって、帰って来た子供たちに、色々と変わった孤児院内の案内をしていたアーシャを連れて、ラムルは帰って行った。
本当に────何という、星の下に生まれてしまったのか…、あの子は。
一人になったラドアは、もう一度溜息を吐いた。
まさか────“ティルメルリエム”を浄化し、あまつさえ姿を与えることができるとは────ガルファルリエムも、こんなことは予測できなかったに違いない。
ガ
(
・
)
ル
(
・
)
フ
(
・
)
ァ
(
・
)
ル
(
・
)
リ
(
・
)
エ
(
・
)
ム
(
・
)
が
(
・
)
、
あ
(
・
)
の
(
・
)
子
(
・
)
を
(
・
)
こ
(
・
)
こ
(
・
)
に
(
・
)
連
(
・
)
れ
(
・
)
て
(
・
)
来
(
・
)
た
(
・
)
理由は、ただ私に面倒を見させるため────それしかなかったはずだ。
ルガレド皇子の親衛騎士にすることは考えていたかもしれないが────あの二人が、【
契約
(
コントラクト
)
】を成立させてしまうとは─
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