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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十四章―再生と創造―#5
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 それから、前世の記憶にあった────自ら炎に飛び込んで生まれ変わるという伝説の鳥。

 腕の中の魂魄の核は、“ブラックホール”のように魔力を呑み込んでいく。

 そして、ついに────私の器以上の量があったはずの共有魔力が尽きた。


共有魔力が尽きました───
(マスター)】ルガレド=セス・オ・レーウェンエルダの固有魔力に切り替えを開始します…


 ああ────レド様の魔力だ。

 自分の中に流れ込んでくる魔力に────レド様に申し訳ないと思う一方で、何だかレド様が傍にいてくれるようで、すごく安心する。

 焦る気持ちが消えて────私は腕の中の存在に、一層魔力を注いでいく。

 どれくらい魔力を注ぎ込んだか────不意に、腕の中の魂魄の核が脈打ったような気がして、私が腕を緩めると、それは、するりと私の腕を抜け出して浮かび上がり────強く眩い光を放った。

 まるで熱を感じさせない────白く美しい炎が、そこかしこに生まれる。

 その白い炎は、周囲の魂魄を蝕む“禍”を────燃やすというより、【ツイノミツルギ】のように、解かしていく。

 “禍”から解放された魂魄が、キラキラと瞬くように煌き────私には喜んでいるように見えた。

 ああ…、もう大丈夫だ────そんな思いが湧き上がる。

 私は立ち上がり、足元に転がる【ツイノミツルギ】を拾い上げて、まだ残る“禍”の方へと歩いて向かう。

 もう私の助力は必要ないかもしれないけど、それでも一助になれば────と、御神刀を手に足を踏み出す。

 私が舞い始めると、白い炎が、ふわふわと私に纏わりついてくる。

 私は、現実にはありえない────その白く清らかな炎と戯れるように、ひたすらに舞う。

 耳の奥で鳴り響く大叔父の笛の音色は、今度は物悲しく聞こえることはなかった。


 いつしか“禍”はすべて祓い終えて────私は、ただただ白い炎と舞っていた。“禍”から解放された魂魄が、白い炎となり────それはうねりながら一つになって、私を取り巻いている。

 大叔父が奏でる曲が、もうすぐ終わる────舞も終わりだ。それを察したのか、白い炎が収束し始め、真っ白な光を迸らせた。


 舞の終わりと共に足を止めた私の腕には────前世でも今世でも見たことのない、光を撥ね返す純白の羽毛を纏い、私の腕ほどの長い尾を持つ────大きく荘厳な鳥が留まっていた。

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