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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十四章―再生と創造―#5
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。おそらく、レド様の魔力をお借りすることになると思います」

 私の魔力は、まだ回復しきってはいない。きっと、私の残りの魔力───それに共有魔力を使っても足りない。そうすると、レド様の魔力も使わせていただくことになってしまう。

 だけど────それでも、この古の神を放っておくことはできなかった。

「勿論だ。遠慮なく使ってくれ」

 レド様は何故だか、嬉しそうに応える。

「俺のことも、周りのことも気にするな。何かあっても───俺が何とかする。それと、後のことも気にするな。リゼは、ただ自分のやるべきことに注力してくれていい」
「ありがとうございます…、レド様」

 レド様は私の頬に右手を添え、額に軽く口づけると────後ろに控えている皆のところへ歩いて行った。

「リゼ姉さん…?」
「大丈夫だ、アーシャ。一緒に下がっていてくれ」

 そんな会話が後ろで聞こえたが、私は振り向かずに、御神刀の鞘を払う。


───何をするつもりだ…、神子よ───


 私は黙って、古の神の魂魄の中心と思われる場所まで進み────そこでやっと、古の神の問いに答える。

「古の神よ────あなたに、剣舞を捧げましょう」

 私の手の中で静謐に光る────【ツイノミツルギ】を構える。

 古の神の魂魄は、重い“(わざわい)”に蝕まれていて────正直、粘つくようなその“禍”が、顔や身体に纏わりついて苦しかったが────私はそれを撥ねのけるように、瞼を閉じる。

 瞼の裏に浮かぶのは────あの懐かしい神域。夜の闇に漂う桜の花びらと────煌く“神気”。

 そして────大叔父の闇を貫く甲高い横笛の音。

 足を踏み出し、腕を振るう。両の手に握られた小太刀の刃が、私の動きに合わせて、古の神の“禍”に塗れた魂魄を撫でる。

 刃が触れた“禍”は、まるで(ほど)けるように消え────蝕んでいた魂魄を解き放つ。

 解放された魂魄が、聖結晶(アダマンタイト)のようなキラキラと煌く粒子を撒き散らした。

 刃が“禍”に触れると、私の魔力が小太刀へと流れ込むのが判った。“禍”は(むら)があり、濃い箇所は特に魔力が持って行かれる。

 これは────思ったよりも魔力を使うかもしれない。


◇◇◇


───おお…、これは───
───そんな…、浄化されている…?───


 御神刀の刃が私の魔力を糧に、靄のような古の神の魂魄を斬り裂く度に、そこから光の粒子が飛び散る。

 古の神の魂魄が輝きを取り戻していくのに比例して───私の魔力は吸い出され、段々と手足の切れがなくなっていくのが判った。

 けれど───さっきよりも重くなった手足を、歯を食いしばって動かし、私は
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