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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十四章―再生と創造―#4
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は、何も考えずにそう口にする。

 やはり…、あそこで何かが────私を待っている。
 何故だか────どうしても行かなければならない気がした。


◇◇◇


 誰からともなく歩き出し、塔へと急ぐ。

「これは…」

 塔の中へ入ると、つい先程は斜めに降り注いでいた天蓋からの光が、真っ直ぐに落ちるように降り注いでいた。

 天蓋のステンドグラスの模様が、円い床にぴったり重なるように、影によって描かれている。足元のそれを見て────私は息を呑んだ。

 違う────これは、よくあるステンドグラスの幾何学模様なんかじゃない。

 これは────

「まさか────魔術式…!?」

 気づいたときには遅く、私の魔力を吸い取って、魔術式が作動し始める。大量の魔力が潮流のように、勢いよく魔術式へと(なだ)れ込んでいく。

 一気に大量の魔力が抜けることにより、身体の力も奪われていった。

 眼を見張るレド様の姿が目に入り、私は、それまでの───熱に浮かされたような状態から、一気に覚める。

 何故────私はあんな簡単に塔に行こうなどと言って────何の確認もせずに塔に踏み込んでしまったのか。

 レド様を巻き込んでしまったことに今更ながら気づき、血の気が引いた。

 レド様の許へ向かおうとして、身体に力が入らず膝をつく。

「く、レド様────お逃げください…!」
「リゼ…!」

 レド様は逃げるどころか、私に寄り添う。

 魔力が枯渇すると思った瞬間、魔術式が完成し────(まばゆ)い光を放った。

 辺りは白い光に呑み込まれ────レド様の姿だけでなく、私は自分の姿まで見失った。



「リゼ…!リゼ…!」

 レド様の────私を呼ぶ声がする…。

 何だか────とても痛々しく聞こえて────早く応えないと、と焦るが、自分の感覚が鈍くて────思うように動けない。

「レド様…」

 何とか重い瞼を開けて、レド様の名を呼ぶ。私を覗き込むレド様の焦ったような表情が、泣き出しそうに崩れる。

「良かった、リゼ…!」

 私は倒れている状態で、レド様に上半身を抱えられているようだ。

「皆は…?」
「大丈夫、皆無事だ」

 レド様の後ろに、ジグ、レナス、ラムル、カデア、アーシャが、誰一人欠けることなく立っているのを見て、安堵の息を()く。

「レド様は、何ともないですか…?」
「ああ、俺は何ともない。リゼこそ、大丈夫か?」
「大量の魔力を…、一気に失って身体がだるいだけです…」

 あれ────レド様と触れ合っているところから、何か魔力が戻って来ているような────これ、気のせいじゃない────私、レド様の魔力を
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