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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第十四章―再生と創造―#4
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─厨房の向かい側に並ぶ17の部屋を整える前に、2階を確かめることにする。2階にレド様に使っていただけるような部屋があるか、先に確認しなければいけないからだ。それ次第で、1階の部屋もやりようが変わってくる。

 2階に上ってみると、そこには扉が2つあるだけだった。2つの扉の位置から考えて、このフロアの2/3の広さの一部屋と1/3の広さの一部屋が並んでいるようだ。

「まずは、こちらの大き目の部屋から見てみるか」

 そう言って、レド様が観音開きの重厚な扉に手をかける。

「…開かない?」
「え?───本当ですか?」

 【最適化(オプティマイズ)】したのに?

「あ、それでは、【解析(アナライズ)】してみます。レド様、下がっていてください」
「リゼは能力を使ってばかりだろう?────ここは、俺がする」

 レド様の足元に、魔術式が展開する。

「………ここは、リゼが開ける方が良さそうだ」
「私が?」
「ここは【神子の座】で───『神子ならざる者入るべからず』だそうだ」
「【神子の座】…?」

 レド様が扉の前から退いたのにつられ、私は反射的に扉の前に出る。

 扉の向こうからは、不思議な気配がした。何だろう────この気配。
 神域とは違う────だけど、清涼な…、凛とした気配。

 私は、そっと扉に掌を当ててみる。すると、ぱっと魔術式が扉に広がるように走り、光が魔術式をなぞった後、かちり、と鍵が開く音が響いた。

 私が掌に力を入れると、扉はあっけなく内側に開いていく。

 観音扉が大きく開かれると、部屋の全貌が露になった。扉の向かい側にあるのは────あれは、祭壇?

 一段高くなっている半円形の床があり、壁にはタペストリーが掛けられている。何故、私はこれを祭壇だと思ったのか────

 私は、その祭壇に誘われるように────部屋の中へと踏み込み、半円形の床に乗り上げる。

 背後で、何かがぶつかるような音がして、振り返ると、レド様たちは部屋の中に入れないらしく、立ち往生しているのが見えた。

「リゼ!」

 レド様が、慌てた様子で私の名を叫んでいる。不思議と私に焦りはなかった。嫌なものや悪意を感じなかったからかもしれない。

 私の足元に、魔術式が半円形の床一杯に広がり、光を放つ。ゴ、ゴゴ…、と重いものがずれていくような音が辺りに響き渡り、微かな振動がする。

 おそらく────塔の方で何かが動いたのだと、私は確信した。

 光が収束し、魔術式が、空気に溶けるように消えていく。私は、祭壇から下りて、レド様たちが待つ扉へと駆け寄る。

「リゼ、無事か!?一体、今のは何だ────何が起こった?」
「…判りません。とにかく塔へ行ってみましょう」

 私
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